あらすじ

その日、鉄行は熱にうなされていた。鉄行の家に看病で訪れた母に鉄行は「自分が鉄道の中心から取り残されてゆくのでは」との不安を打明ける。そんな鉄行に、かつてEF63が好きだと話していたという母。 EF63、それは群馬県横川から長野県軽井沢までの67/1000という急勾配を上る他の列車を助ける為だけに作られた機関車。ただ、ただ脇役に徹し、他の列車の手助けのために走る列車だ。一夜明け、昨日のすべては熱にうなされる中で見た夢だと知る鉄行。しかしEF63イメージは鉄行の中にはっきりと蘇っていた。夏休みを取った鉄行は、EF63に会うために横川の実家に向かったのだが…! その他、台風で列車運行が困難な中、ケガをした子どもを虹湯の病院まで届けるために必死の運転を続ける運転士の間宮と鉄行を描く「台風」、かつてのライバルと正直の蕎麦打ち勝負をする「特急を知らない駅」など。 田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン!
迷い家ステーション【第1巻】

迷い家駅… それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。電化されておらず、湯の屁から1時間弱の道をディーゼル車が繋いでいる。そんな迷い家駅に勤めるのは運転士志望で今は検修(整備)を務める堺鉄行。駅長は近所の蕎麦屋のオヤジ安曇正直。鉄行は正直の妻春子、娘の菜月、息子の森人と家族のように暮らしながら日々虹湯鉄道を守っているのであった。今日は虹湯鉄道を走って来た旧国鉄、キハ22型の最後の運行日…そして鉄行の運転士試験の結果発表の日だ。万感の思いを込めて迷い家へ向かうキハ22、そしてそれを迎えようとする鉄行たち迷い家駅の人々、しかし、そこに思いがけないトラブルが起こってしまう。決死の思いでトラブル対応の中、正直のもとにかかって来た1本の電話の内容は…!? 田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン第1巻! 当時の小山田いく先生の単行本コメント 『旧国鉄の路線が、あちこちで今、第3セクター鉄道(地方公共団体や民間企業などが共同出資で運営する鉄道)となって、それぞれ個性的な列車を、走らせています。虹湯鉄道も、そんな鉄道のひとつです。その鉄道の終着駅、迷い家に一緒に行ってみませんか?』

迷い家ステーション【第2巻】

迷い家駅… それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。駅に勤める検修、堺鉄行は今日も駅長を兼任する蕎麦屋の主人、安曇正直と共に乗客たちを見守っている…。虹湯鉄道に新人研修の季節がやって来た。今年迷い家駅に研修に来たのはなんと16歳の女の子、野田一葉。一葉は運転士志望で何にでも一生懸命で、のんびりとした鉄行のペースに不満気味だった。そんなある日、迷い家駅近辺に大雨洪水警報が発令され、線路の土が雨水に流される危険性が高まった! 鉄行たちが線路を守るため、現場に急行する中、一葉も自らの意思で迷い家に留まり、現場に向かう。自然の猛威と鉄道を守る人々の戦いが始まった! その他、苦しい幼少時代を経て幸せをつかんだ女の子を正直たち親子が祝福する「別れ」、虹湯の蛍祭りの夜、鉄行と正直の娘、菜月が迷い家駅で自然の蛍を眺めながらひと時を過ごす「蛍祭り」などを収録。田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン第2巻! 当時の小山田いく先生の単行本コメント 『小さい頃、“駅”は蒸気機関車を見に祖父に連れられていった所でした。学生時代、“駅”は下宿から帰省するための場所… それから“駅”は通勤の通過点になり、今は、旅行に出るための、心躍る場所になりました。今、その時々の“駅”に対する気持ちを思い出しながら、描いています。』

迷い家ステーション【第3巻】

その日、鉄行は熱にうなされていた。鉄行の家に看病で訪れた母に鉄行は「自分が鉄道の中心から取り残されてゆくのでは」との不安を打明ける。そんな鉄行に、かつてEF63が好きだと話していたという母。 EF63、それは群馬県横川から長野県軽井沢までの67/1000という急勾配を上る他の列車を助ける為だけに作られた機関車。ただ、ただ脇役に徹し、他の列車の手助けのために走る列車だ。一夜明け、昨日のすべては熱にうなされる中で見た夢だと知る鉄行。しかしEF63イメージは鉄行の中にはっきりと蘇っていた。夏休みを取った鉄行は、EF63に会うために横川の実家に向かったのだが…! その他、台風で列車運行が困難な中、ケガをした子どもを虹湯の病院まで届けるために必死の運転を続ける運転士の間宮と鉄行を描く「台風」、かつてのライバルと正直の蕎麦打ち勝負をする「特急を知らない駅」など。 田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン!

迷い家ステーション【第4巻】

利用客が減れば、3年後に「迷い家駅」が廃止されるかも、という話を聞き、利用客を増やすため朝の掃除を始めた森人。しかし…朝の迷い家駅は猫の寄り合い所となっていて森人は少々イライラしていた。そんな猫たちの中には地元の利用客、伊藤さんの飼い猫ゴローもいた。ところが伊藤さんは、息子夫婦に呼ばれて最寄り駅が湯の屁駅の地域に引越してしまったのだった。利用客が減ってしまったと落ち込む森人に伊藤さんからゴローが姿を消したと連絡が入る。消息が分からないまま数週間が経ち、皆があきらめかけた頃、ゴローが傷だらけの姿で迷い家に姿を現す。そして、ゴローは迷い家に思わぬ利用客を連れてきて…?! その他、最期まで運転士として生き抜いた男の物語「ある運転士の肖像」などを収録。 田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン!

迷い家ステーション【第5巻】

迷い家駅…それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。電化されておらず、湯の屁から1時間弱の道をディーゼル車が繋いでいる。そんな迷い家駅に勤める堺鉄行は今日も駅長を兼任する蕎麦屋の主人、安曇正直と共に乗客たちを見守っていた…。ある日、虹湯鉄道が国鉄だった頃の大先輩、久我に呼び出された鉄行は東京の出版社の記者、九城を紹介され、同時に驚くべき話を聞かされる。なんと戦争中、戦地に送られるはずだった蒸気機関車「C56」が迷い家駅近辺で姿を消したというのだ。C56が今も迷い家に眠っているかもしれない…!そこには、戦争の時代に鉄道を愛した男たちが下した苦渋の決断の物語があったのだった…。 田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に務める人々と、鉄道を通して出合う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン最終巻! 小山田いく先生の当時の単行本コメント『“駅”は、ひとつひとつ違う顔や性格を持っているようです。寒い日に降り立っても、何か夜まで、列車の出入り口を見ていたくなるような駅…新しくてきれいなのに、あまり長くいたくない駅…。迷い家駅は、あなたにとって、どんな駅に感じられたでしょうか?』