ゴミ屋敷で孤独死した漫画家が残した遺作『生ポのポエムさん』が訴えた生々しいフリーランスの現実 - TOCANA
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『生ポのポエムさん』(エンペラーズコミックス)より 2018年2月、ひとりの漫画家が死んだ。ペンネームは吠夢(ぽえむ)という。ご存知ない人も多いだろう。知っているとしたら、かなりマニアックな漫画通だ。 彼は練馬区のアパートで孤独死していたところを発見された。6月1日、そのアパート内から見つかった...
この物語は人生の再起を賭けて自らの体験を原稿用紙に叩きつけた一人の漫画家の魂の記録である。受給者数213万人(2017年8月厚生労働省発表)の生活保護制度。通称「生ポ」といわれるこの制度の受給申請から受取りまで、貧困の切実な現場と併せて、受給者自らの視点で描いた生ポドキュメント漫画である。 そこは負のオーラをまとった社会の底辺の吹き溜まりに思えた。連載雑誌の休刊、リニューアルでリストラ…気がつけば通帳の預金残高は危険信号。追い討ちをかけたのは糖尿病の悪化による失明危機だった! 絶対絶命の窮地の中、漫画家は最後の手段として生活保護受給申請を決断する。しかし、意を決して足を運んだ福祉事務所は沈んだ空気に包まれていて…。本作を描き上げた約1ヵ月後の2018年2月、著者は死去。晩年の悲痛な思いが綴られた創作ノートを特別併録。