あらすじ私の中に何がいる? 幼なじみの一墨の中に入ってきた謎の生命体[ワルツ]「一墨を救うために自分が消えてもかまわない」愛生は自分の中に[ワルツ]を移そうとしますが、[ワルツ]は何故か理由をつけて移動を延ばし延ばしに。ところが突然、愛生は謎の[白い男]に突き飛ばされ、重体に。愛生を救うために[ワルツ]が愛生の中に入ってきて!?
1話の冒頭で描かれるのは幼馴染の一墨(いすみ)に長年想いを寄せる愛生(あおい)の姿。シンプルな純愛ストーリが展開するのかと思いきや、1話終盤で予想の遥か上を行く展開に。そのSF的な展開の正体は2話以降で明らかになりますが、その存在が物語に介入することによりストーリーがどんどん複雑になっていきます。 その結果、SF設定が下敷きにありながら、あるときは俺様系男子とそれに抗う女子のラブコメに、あるときは幼馴染と同級生の三角関係のような様子に、またあるときは1話冒頭で想起されたような幼馴染との純愛展開と、各話毎に様々な顔を見せるという不思議な作品に仕上がっています。 これだけ色んな展開を見せつつ、全体としてはしっかり一本のストーリーに繋がっていて、しかもその全てでちゃんと少女マンガしてるという、奇跡的なバランスで成り立っている作品です。 例えばお二人の前作「菜の花の彼―ナノカノカレ―」の読者や少女マンガ好きの方にはもしかしたら新鮮な気持ちで読めるかもしれないですし、個人的には普段少女マンガを読まない人でも「あげくの果てのカノン」や「青のフラッグ」のように一癖も二癖もある恋愛作品が好きな方なら読んでみてほしい作品です。 4巻まで読了