あらすじ戦況は逼迫していた。白河は敵との戦力差を感じつつも、首都防空のために空に上がり続ける。そして、昭和二十年五月二十五日。実家に帰った妻・満里子のまわりに、大量の爆弾が降り注ぐ。妻の身を案じながらも、戦闘機に乗ってB-29を迎撃する白河。地上と空、夫婦の運命は…!?
東京・国立の文化住宅に暮らす若い夫婦の暮らしを描いたお話。「日常もの」と思って読んだら下巻で予想もつかない衝撃の展開が2回もあり打ちのめされています。つらすぎる…。 戦闘機のテストパイロットである夫の仕事と、妻が家で行う家事に戦争が影響を及ぼす様が描かれていて読み応えがあります。 白河夫妻の関係、そして2人が住む洋間がある和風住宅がが本当に素敵でまるで朝ドラを観てるみたいでした。 だからこそ、下巻での2度の衝撃は読んでいて堪えました…。 本当にあまりにも唐突すぎて、正直こんなの物語としてありかよという気持ちになりました。しかし、戦時だろうと平時だろうと時代が変わろうと、こうやって大事な人が納得できない形で突然いなくなる可能性はいつでもあるんですよね…。 夫婦の温かい日常を描きながら受け入れ難い事実を突きつけてくるいい作品でした。