あらすじ

亡くなった師・宿木が開かずの書斎で監禁していたのは、性処理のために育てられた桃娘(とうにゃん)・福寿だった。自分の命を顧みないほどに宿木に執着する福寿を救うには宿木が未完のまま遺していった遺作『殻の籠』に隠されたメッセージを読み解くしかない。それに気付いた林堂は、塞ぎ込んだままの福寿をとある場所に連れて行く。それぞれの想いが絡み合う究極の愛の物語、堂々完結。
殻の籠 前編【単話売】

高名な小説家・宿木が亡くなった。その門下生であった林堂は悲しみに暮れる中、ひとつ気がかりなことがあった。時を同じくして宿木の仕事場で飛び降り、命を絶とうとした謎の美少年の存在……彼は、昨夜自分が抱いた男だったのだ。開かずの間だと思っていた宿木の私室で暮らしていたという男・福寿は、男を喜ばせるためだけに育てられた“桃娘”だという。宿木とそっくりな林堂の声を聞くと途端に発情し始める福寿の様子から、二人はただならぬ関係であったようで…?

殻の籠 中編【単話売】

亡くなった師・宿木が開かずの書斎で監禁していたのは、性処理のために育てられた桃娘(とうにゃん)・福寿だった。宿木に瓜二つの声を持つ林堂に反応して発情し始める福寿に手を焼きっぱなしだったが、天真爛漫な振る舞いの裏で、ことあるごとに宿木の後を追おうとする彼の深い悲しみを感じていた。宿木が未完のまま遺していった遺作『殻の籠』に彼を救う鍵が隠されているようだが…?

殻の籠 後編【単話売】

亡くなった師・宿木が開かずの書斎で監禁していたのは、性処理のために育てられた桃娘(とうにゃん)・福寿だった。自分の命を顧みないほどに宿木に執着する福寿を救うには宿木が未完のまま遺していった遺作『殻の籠』に隠されたメッセージを読み解くしかない。それに気付いた林堂は、塞ぎ込んだままの福寿をとある場所に連れて行く。それぞれの想いが絡み合う究極の愛の物語、堂々完結。