あらすじ
柴崎友香(作家)「生活と、書くこと。世界と、言葉で遊ぶこと。絡みあって、隙間があって、移り変わっていく。ひそやかに楽しくて、ひりひりと幸福で、ずっと読んでいたい」姫乃たま(地下アイドル)「ああ、『滋味掬すべき作品』ってこれのことだったんだ」雑誌の新人賞を受賞後、警備員のバイトをしながら、小説を書いている杉浦紺(30)。“先生”でも“天才”でもない、若き純文作家の日常をのぞいてみませんか?◎巻末対談 「ものするひとたちのリアリティ」 滝口悠生(作家)×オカヤイヅミもの・する【物する】ある動作をする。ある物事を行う。「言う」「食べる」「書く」など種々の動作を湾曲にいう語。(『広辞苑』第七版より)綿矢りさ、朝井リョウなどの人気作家15人に、理想の「最期の晩餐」を聞いた話題作『おあとがよろしいようで』のオカヤイヅミ、初のオリジナル長編作。
小説家のマンガ。このマンガはパッと見は何も起こらない、平凡な日々を暮らす人達のマンガに見えるんです。しかしマンガを見続けていると登場人物達の焦り、気まぐれ、執念などが浮かんできたり消えたりして、そこにドキドキしたりどきっとする。普通っぽい日々、世界の中で生きる人達が何かを抱えていることと、これから何かをやろうと考え動く様が描いてあるんじゃないかと。3巻の中にある主人公が数ページ「うーん」ばかり言っている場面が好きです。