あらすじ

「この世には不思議なことなど何もないのだよ――」古書店「京極堂」を営む傍ら、“憑物落とし”専門の神主も務める中禅寺秋彦が、箱根の山中深くにて起こる修行僧連続殺人事件に挑む。忽然と現れる修行僧の屍、雪降る山の中を駆け巡る振り袖の童女…。寺に取り憑いた大きな闇を、京極堂は落とすことができるのか!?
鉄鼠の檻 1巻

「この世には不思議なことなど何もないのだよ――」古書店「京極堂」を営む傍ら、“憑物落とし”専門の神主も務める中禅寺秋彦が、箱根の山中深くにて起こる修行僧連続殺人事件に挑む。忽然と現れる修行僧の屍、雪降る山の中を駆け巡る振り袖の童女…。寺に取り憑いた大きな闇を、京極堂は落とすことができるのか!?

鉄鼠の檻(2)

――誰も出て行こうとせん。ここからは出られないのかのう――。明慧寺は真実、謎の寺だった。数百年に渡り誰の目にも触れず、ただそこにずっとあり続けていた…。殺された小坂了稔は相当な破戒坊主で慈行、祐賢、常信らの派閥とも複雑で錯綜した力関係を築いていた。寺の事情に混乱する警察を他所に再び、殺人事件が起きてしまう――。

鉄鼠の檻(3)

声が―――違う。憑物落しが始まっている。明慧寺最古参の僧・大西泰全が殺害され、敦子らは仙石楼へ戻ってきた。仏頂面の京極堂は敦子らの話を聞くと、明慧寺から逃げ出してきた桑田常信のもとへと向かう。常信は、自分が次に殺されると怯えていたのだ。向かい合う陰陽師と禅僧。慇懃な態度で、陰陽師は語り始めた――。

鉄鼠の檻(4)

――あんたいったい、何から逃げた?―― 久遠寺に問われ、菅野は静かに語り始めた。彼がなぜかつて久遠寺の元から逃げ出したのか。そして、明慧寺にて鈴に対して何をしてしまったのか。そして菅野は続けた「私は半ば望んで壊れたのです。自分の意志で心を壊し、脳髄の埒外に逃げ出したのです。」彼をここまで追い詰め、変貌させてしまったものは一体何であったのか―――。

鉄鼠の檻(5)

――兄様、御免なさいね――。あれはあの世のものじゃなかったのだ。しかしこの世のものでもなかったのだ。「松宮鈴子に憑いた大禿を――落とそうと思う。」ついに動き出した闇を纏う陰陽師。明慧寺に潜む謎、了稔が張った結界。現れる真の貫主、そして明らかにされる殺人の動機。京極夏彦の超大作ミステリコミカライズ作品、ここに堂々完結!