あらすじ地本問屋・蔦屋重三郎から、諸国の銘酒、名物料理、名産品を絵とともに一冊にまとめるガイドブック制作と妓楼の借金回収を命じられた重田貞一(通称:与七、後の十返舎一九)は、寛永寺の修行僧・八舟とともに、東海道をいざ西へ。だが、その歩みは亀のごとし。飲み食いばかりに刻を費やし、ようやく箱根の山を越えたところ。道中、揉めごとの絶えない二人であったが、少しずつ息もあってきた。旅もようやく順調に進みだしたと思われたが、掛川宿で衝撃の報せを聞く──。