あらすじ

熊本県 黒川温泉。訪れた人が懐かしさを感じるその自然豊かな温泉宿のスタイルは少しずつ全国の温泉地に浸透し、やがては日本各地に大きな影響を与えることになる。その温泉を作り上げたひとりの人物、後藤哲也。この人はどのようにして人の心をときほぐす風景に気づき、それを再現するに至ったのか。1949年(昭和24年)の戦後間もない混乱の時代の青年期から描く第1巻。
漫画 黒川温泉新明館 1巻

熊本県 黒川温泉。訪れた人が懐かしさを感じるその自然豊かな温泉宿のスタイルは少しずつ全国の温泉地に浸透し、やがては日本各地に大きな影響を与えることになる。その温泉を作り上げたひとりの人物、後藤哲也。この人はどのようにして人の心をときほぐす風景に気づき、それを再現するに至ったのか。1949年(昭和24年)の戦後間もない混乱の時代の青年期から描く第1巻。

漫画 黒川温泉新明館 2巻

熊本県 黒川温泉。線路には蒸気機関車が轟音と煙を上げて走り、未舗装のジャリ道では木炭バスがヨロヨロと走る戦後の復興の中、徒歩でしかたどり着けない阿蘇の山奥にある特徴のない黒川温泉に、お客を呼び込むために努力する旅館経営者たち。お客が喜ぶものは何かを考え試行錯誤を重ねる後藤哲也は、ある時、旅館の裏山に洞窟を掘ってそこを風呂にすることを思いつく。黒川温泉の成り立ち第2巻。

漫画 黒川温泉新明館 3巻

日常の中に次々と新しい製品が増えて、生活が豊かに変化していく世の中は、次第にレジャーや観光ブームになっていく。高度経済成長期に入った日本は、あらゆるものが売れるようになり、自家用車は急増し、道路が整備され、温泉客は増えた。そんな中、哲也は黙々と露天風呂を改修し、洞窟風呂を掘り続けて完成させる。

漫画 黒川温泉新明館

もはや1人鉄腕DASH…! 1949年から始まる温泉旅館物語

漫画 黒川温泉新明館 柴田敏明
ぺそ
ぺそ

1949年の熊本県黒川温泉。温泉旅館・新明館の長男である主人公の哲也さん(19)は暮らしを支えるため学校を辞め、家業の他に近所の農作業や土木作業をして働いている。ちなみに19歳というのは数え年なので今で言う17歳です。 道が舗装されていない、バスが通ってない、ズックが貴重だから普段はわらじ、家族10人暮らしで家にラジオがない、林間学校の生徒たちが米を持参してくる、家族で晴れ着で百貨店に出かける…というのが当時の暮らしぶり。 家でわらじを編んだり道がまだアスファルトじゃなかったことは、父や祖父から聞いた昔の話と重なり実感を持って読むことが出来ました。 温泉を引くための配管もまだ竹で高熱に耐えられないので4・5カ月に一度新しいものに替えなくてはならず、山から竹を取ってきて節を抜いて設置するのも哲也さんの役目。 そのことについて「わしは長男じゃからあたりまえばい」というセリフがあり、山道を2俵(120kg)の米や石炭を「おいこ」で運ぶ姿とあいまって「リアル炭治郎だ…」と、なんだか感じ入ってしまいました。 https://togetter.com/li/1612718 常に自分たちの温泉を良くしようと考えている哲也さんは両親に呆れられながらも、露天風呂から見える裏山の竹を切ってツヅジやサツキを植えたり、岩肌をノミで(!)彫って洞窟温泉を作ったり…。 向上心が強く勤勉な哲也さんの姿に頭が下がる思いがします。 新明館そして黒川温泉が今後どうなっていくのか続きが楽しみです。 【現在の新明館の公式サイト】 https://shinmeikan.jp/spa/