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ミステリ界の友人も多く、無類の本格ミステリ好き漫画家夫婦の喜国雅彦と国樹由香が贈るコミック集。コミックならではのトリックも楽しめる喜国雅彦『ミステリに至る病』とミステリ作家たちの愛犬家、愛猫家ぶりが楽しいお宅訪問ルポ・国樹由香『あにまる探偵団』をはじめ、コアなミステリネタ満載。有栖川有栖、綾辻行人、小野不由美、京極夏彦、森博嗣らをはじめ豪華作家陣も多数、作中に登場。新本格30年を前に待望の文庫化! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
本格ミステリ好きの「漫画家夫婦」が自分達が ミステリを愛して尊重して一喜一憂した経験と知識を元に ミステリを分析したりパロディ化したり、 褒め称えたり、重箱のスミをつついたり、ディスったり。 そういった、あらゆる角度からミステリをネタにした漫画の選集。 実際の経験談をネタにしたのだろーなー、という話や、 ミステリ作家と交友があって仲がいいから描けるんだろーなー、 という話も多い。 こういうマニアックなネタをエセやニワカのファンが描いたら どこかしら嘘くさかったり嫌味っぽい感じが漂うもの。 だがこのコミックからは全くそういう香りがしない。 自分はけしてミステリに詳しくないのだけれども、 それでも、喜国先生がホントにミステリ好きで、 (古書マニアでもあられるようで) マニアならではの読書歴や知識がなければ産み出せなかった であろう各短編漫画だろうということは感じとれます。 付け焼刃のミステリ知識じゃあ絶対にこんなギャグやオチの 発想は出来ないよな、と感心します。 喜国先生がミステリのイチ読者として経験した衝撃とか、 ミステリ作家と漫画家という同じくともに作家として、 自分の作品のネタやアイディアがかぶったりとか 見透かされたり、ばらされたときの、作家としての苦悩とか、 そのへんをギャグにしている話とか 読者(第三者)という気楽な立場から読ませてもらうと 堪らなく面白い(笑)。 しかしまあ恐ろしく効率の悪い漫画とも言えるでしょうね。 ミステリ・パロディのギャグ漫画一作、 それを描くために肥やしとなった喜国先生の それまでの読書量はいかばかりだったか? 一つのネタ、一つのオチが、どれだけのマニアックな時間を 過ごしたことから産み出されたカケラなのか? もしもこういう漫画を描こう、だから今からミステリを読もう、 などと考えてそこから取り組んだら、 絶対に完成しない漫画ですね。 まさに超ミステリマニアが優秀な漫画家でもあったから出来た 奇跡のマニアック趣味コラボ漫画(笑)。