あらすじ彼女の名は紫那子。私を虜にしてやまないエキゾチックで美しい女だった――。資産家・木嶋尚佐の娘である紫那子は勘当され、ひとり郊外の屋敷に住んでいた。彼女のもとに通う小説家・仁科はいつも不つりあいに大きな鏡のある部屋で彼女を抱いた。彼女には奇妙な育て方をされた絵梨香という娘がいた。罪の子・絵梨香をめぐる連作「硝子越しの月」「翡翠色の月」を収録。