あらすじ

世界物産社員、稲村金四郎は糸井専務一味の陰謀を粉砕し、バンコックに左遷された尊敬する上司・曲垣常務の帰国を実現させた。その結果、金四郎は“けんか両成敗”としてバンコック支店赴任を命ぜられてしまった。途中マカオで賭博に興じ、そこで中国の富豪丁光前と知遇を得た金四郎であったが、香港でポルノ映画の主役として拉致された。だが危い所を見知らぬ中国人に救出された。
と金紳士(1) 歩の巻

世界物産大阪支社に勤める稲村金四郎は、ひまさえあれば、居眠りしているか、何かを食べていることから、“居眠り喰四郎”といつしか人に呼ばれていた。サラリーマンの世界では、平社員の金四郎は将棋に例えれば「歩」だ。しかし、たとえ歩でも敵陣に入ったら「と金」となって金の働きをする。金四郎は「と金」になれるのか!?

と金紳士(2) 桂馬の巻

居眠り喰四郎こと稲村金四郎は世界物産大阪支社に勤めながら“昼寝クラブ”など経営する怪物社員――。曲垣前大阪支店長をバンコックへ追い出した糸井専務・船越現支店長打倒を策す金四郎は、関西経済界の黒幕・楢原鉄斎という頼もしい味方を得た――。歩は歩でも「と金」を目指す金四郎は―!?

と金紳士(3) 金の巻

世界物産の社員で、居眠り喰四郎こと稲村金四郎は、糸井専務一味の陰謀を察知し、これを粉砕せんと東奔西走。その努力の甲斐あって自社株ドデンと買越し、京舞妓の水揚げ、さらに糸井専務の元秘書とのスキャンダルをもキャッチした。いよいよ天下分け目の株主総会の日を目前にして、われらの金四郎は!?

と金紳士(4) 角の巻

世界物産社員、稲村金四郎は糸井専務一味の陰謀を粉砕し、バンコックに左遷された尊敬する上司・曲垣常務の帰国を実現させた。その結果、金四郎は“けんか両成敗”としてバンコック支店赴任を命ぜられてしまった。途中マカオで賭博に興じ、そこで中国の富豪丁光前と知遇を得た金四郎であったが、香港でポルノ映画の主役として拉致された。だが危い所を見知らぬ中国人に救出された。

と金紳士(5) 飛車の巻

奇想天外の知略をもって世界物産のお家騒動を解決した稲村金四郎は、尊敬する上司曲垣常務と入れ変わってバンコック赴任を命ぜられた。途中、マカオで中国の富豪丁光前と知遇を得た金四郎は、タイのスワナコルン氏邸において、麻雀では奇跡の手と言われている天和(てんほう)を完成した。しかし天和をつくった者は死ぬという言い伝えから、彼は四十九日の蟄居に服したが、その間スワナルコンの五人の妾と関係したため、丁光前と共にシンガポールへ逃れた。

と金紳士(6) 王将の巻

性豪・辣腕のと金社員稲村金四郎は、持ち前の頭脳と行動力をもって、世界物産のお家騒動を解決したが、社命によってバンコックへ赴任した。途中マカオで賭博と女に興じ、中国の大富豪とも知遇を得たが、東南アジアの実体を知った金四郎は、急ぎアメリカへ飛び世界一の大金持ちV.S.ロッカーに面会し、東南アジア開発援助を約束させた。バンコックから呼び戻された金四郎は“社長室付き秘書”という仕事に退屈していたある夜、同僚の鎌田がアドニスというゲイバーの経営者と知って唖然とした。