あらすじ様々な苦しみに遭遇しながらも、生きる努力を積み重ね、その姿を人々の目に映し出してきた村山聖。そして人々は、聖の姿に言葉にできぬ「聖なるもの」を感じるようになっていた。時空を超え、世代を超えて、その名の通り「聖」なるもの―命のありよう―を示しているのではないかと…。諦めるな、決して絶望するな、どんな命も必ず輝くのだと…!!そして、聖は星になった。――孤高の天才棋士・村山聖の感動コミックドキュメント、感涙の最終巻!
村山聖って子供の頃から病気だったこと位しか知らなかったのですが、これを読んで、もう一・二年あれば名人になれたかもしれない、本当にあと一歩のところで亡くなったことを知りました。あとがきで山本おさむ先生の奥様も同じ病気で亡くなったと書かれていて、色んな想いも込められているように感じました。 実際に起こったエピソードと創作が混ざったストーリー構成なんですが「これは事実なんだ…」と驚くようなことも多々ありました。特に師匠・森信雄との関係に感動しました。作中では「犬の親子のような愛情」と例えられてましたがその通りなんです。二人にとって三つの別れのシーンがありましたが涙ぐまずにはいられませんでした。 ライバルとして登場する羽生善治の描き方も面白かったです。プロデビューした直後はまさに将棋の神様に愛されている天才少年という感じですね。作戦でも何でもなく対局中にあくびをする姿と、ベテラン棋士が「10代の将棋が一番細かい」と言っていたのが印象的でした。