あらすじ昇級を賭けた大一番、そして宿敵・羽生の待つ盤上へ!――盤外では、初恋に揺れる純朴な青年の素顔を見せながらも、盤上では修羅の如くに快進撃を続ける棋士・村山聖。そして、ついにやってきた運命の日。最大のライバル・羽生善治との初対局。棋界の歴史に名を刻む、一世一代の名局が始まる!孤高の天才棋士・村山聖の感動コミックドキュメント、第6巻!
村山聖って子供の頃から病気だったこと位しか知らなかったのですが、これを読んで、もう一・二年あれば名人になれたかもしれない、本当にあと一歩のところで亡くなったことを知りました。あとがきで山本おさむ先生の奥様も同じ病気で亡くなったと書かれていて、色んな想いも込められているように感じました。 実際に起こったエピソードと創作が混ざったストーリー構成なんですが「これは事実なんだ…」と驚くようなことも多々ありました。特に師匠・森信雄との関係に感動しました。作中では「犬の親子のような愛情」と例えられてましたがその通りなんです。二人にとって三つの別れのシーンがありましたが涙ぐまずにはいられませんでした。 ライバルとして登場する羽生善治の描き方も面白かったです。プロデビューした直後はまさに将棋の神様に愛されている天才少年という感じですね。作戦でも何でもなく対局中にあくびをする姿と、ベテラン棋士が「10代の将棋が一番細かい」と言っていたのが印象的でした。