あらすじ

▼第34話/ストラディバリウス▼第35話/遠い祖国▼第36話/絶望の淵▼第37話/本庄村▼第38話/運命の日▼第39話/弟子▼第40話/一条の光▼第41話/希望の地▼第42話/楓●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/祖国が戦争状態の中、ひとり日本で過ごす昌鉉は、母と連絡をとることもできなくなっていた。“在日”という現実と戦いながらもバイオリンの上達に励むある日、昌鉉は楽器店の店員から初めて“ストラディバリウス”の名を耳にする。同時にその名器を聴くことができるコンサートの存在も知り…(第1話)。●本巻の特徴/国籍の違いにより、日本で教員を目指す夢を絶たれた昌鉉。大学の講演でバイオリンの神秘的構造を知った彼は、その場で製作家になる決意をするが、そこにまたも国籍の壁が立ちはだかって…。●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿していた、昌鉉の恩師)、西村(昌鉉の大学の先輩で、仕事仲間)
天上の弦 1巻

▼第1話/母▼第2話/思い描く▼第3話/日本語▼第4話/飛行機▼第5話/鉛筆▼第6話/相川先生▼第7話/荒城の月●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/「東洋のストラディヴァリウス」と称されるバイオリンを、たった一人で作り上げた男・陳 昌鉉。1929年、彼は当時日本の支配下にあった朝鮮半島で産声をあげた。母・大善にとっては、十年待ち望んでやっと生まれた子供だったが、母乳が出ないため、昌鉉は栄養失調でやせ細っていった。思い悩んだ母は、山を越えて隣村へ“もらい乳”に行くが…(第1話)。●本巻の特徴/日本統治下の朝鮮半島で、母の愛に守られて伸びやかに育つ昌鉉少年。やがて、人生を左右することになる相川先生との出会いが…。●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿している日本人教師。昌鉉の担任)、成哲(何かと昌鉉につっかかる近所の悪ガキ)

天上の弦 2巻

▼第8話/二人の少年▼第9話/濁流▼第10話/河原にて▼第11話/その日▼第12話/出征▼第13話/供出米▼第14話/一叺の米▼第15話/成哲●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/担任の日本人教員・相川先生を通してバイオリンと出会った昌鉉は、その美しい音色に夢中になってしまう。バイオリンの構造を熱心に調べ、ついに、その音の秘密を自分ひとりの力で解明してしまった昌鉉。一方、相川先生は、宿題を提出しないのに授業では頭抜けた能力を見せる成哲のことが気にかかり…(第8話)。●本巻の特徴/相川先生を通してバイオリンと出会った昌鉉少年は、その美しい音と不思議な構造に魅せられていく…。●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿している日本人教師。昌鉉の担任)、成哲(何かと昌鉉につっかかる近所の悪ガキ)

天上の弦 3巻

▼第16話/決心▼第17話/旅立ち▼第18話/日本へ▼第19話/戦火▼第20話/散華▼第21話/8月15日▼第22話/ジン・ボーイ▼第23話/闇市▼第24話/母なるもの●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/父・在基の死とともに、裕福だった昌鉉の家に暗い影が差し始めた。父の残した借金を返すため田畑は半分となり、戦局の悪化に伴って穀物や金属類の供出も課せられた。だが、厳しい状況下にあっても母・大善は明るく振る舞い、自分は空腹でも昌鉉たちにお腹いっぱい食べさせてくれる。そんな母の姿を見た昌鉉は、ついにある決心を…(第16話)。●本巻の特徴/「日本で勉強して、教員となって母を守ろう」と、海を渡る決意をした昌鉉少年。敗戦後の日本で、昌鉉を待つものとは…!? ●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿していた日本人教師。昌鉉の担任)、トム(昌鉉と知り合い仲良くなった黒人米兵)、マリコ(トムがなじみにしている日本人娼婦)

天上の弦(4)

▼第25話/朝鮮戦争▼第26話/人民裁判▼第27話/召集▼第28話/ママ▼第29話/北の少年▼第30話/キムチの味▼第31話/未来▼第32話/パチンコ▼第33話/ツィゴイネルワイゼン●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/1950年6月、朝鮮戦争勃発。大学進学を目指して横浜で働く昌鉉は、祖国に暮らす母と妹を思い、胸を痛めていた。昌鉉の故郷・金泉では、迫りくる人民軍(北朝鮮軍)から逃げるため、人々は南へ避難を始める。だが、河ひとつ越えれば国軍(韓国軍)にたどりつくというところで、橋は破壊され、人々は銃弾の餌食に…(第25話)。●本巻の特徴/戦争の暗雲が、昌鉉の母・大善に迫る…!! そして、日本で大学進学を果たした昌鉉に、再びの出会いが!? ●その他の登場人物/貞仁(昌鉉の妹。祖国で母と暮らしている)、トム(昌鉉と知り合い仲良くなった黒人米兵)、マリコ(トムがなじみにしている日本人娼婦)

天上の弦(5)

▼第34話/ストラディバリウス▼第35話/遠い祖国▼第36話/絶望の淵▼第37話/本庄村▼第38話/運命の日▼第39話/弟子▼第40話/一条の光▼第41話/希望の地▼第42話/楓●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/祖国が戦争状態の中、ひとり日本で過ごす昌鉉は、母と連絡をとることもできなくなっていた。“在日”という現実と戦いながらもバイオリンの上達に励むある日、昌鉉は楽器店の店員から初めて“ストラディバリウス”の名を耳にする。同時にその名器を聴くことができるコンサートの存在も知り…(第1話)。●本巻の特徴/国籍の違いにより、日本で教員を目指す夢を絶たれた昌鉉。大学の講演でバイオリンの神秘的構造を知った彼は、その場で製作家になる決意をするが、そこにまたも国籍の壁が立ちはだかって…。●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿していた、昌鉉の恩師)、西村(昌鉉の大学の先輩で、仕事仲間)

天上の弦(6)

▼第43話/森のオーケストラ▼第44話/扉▼第45話/山の暮らし▼第46話/再開▼第47話/処女作..▼第48話/木曽福島▼第49話/奇妙な勝負▼第50話/少女▼第51話/ロマンス●主な登場人物/陳昌鉉(教員を目指し日本で学ぶが、国籍の問題で挫折。バイオリン製作に興味を持ち、製作家を志す)●あらすじ/昌鉉は弟子入りのために訪れた長野の製作家に、バイオリンは冬まで作らないと言われ、冬までの間現地の林道工事現場で働くことに。過酷な肉体労働の合間を縫って、独力でバイオリンを作り上げようと決意した昌鉉は、道具すら満足に揃わない悪条件にもめげず、製作に没頭していくが…(第1話)。●本巻の特徴/肉体労働の合間を縫って、山の中で独りバイオリン作りを続ける昌鉉。最初は彼に理解を示さなかった他の労働者たちも、昌鉉の純粋さにうたれ、少しずつ応援し始めるように。そしてついに、長野の製作家に弟子入りする約束の冬が訪れて…!!

天上の弦(7)

▼第43話/アントニオ▼第44話/焦り▼第45話/秋の音色▼第46話/心▼第47話/ささやかな青春▼第48話/夜空▼第49話/妹からの手紙▼第50話/転機▼第51話/再び東京へ●主な登場人物/陳昌鉉(教員を目指し日本で学ぶが、国籍の問題で挫折。バイオリン製作に興味を持ち、製作家を志す)●あらすじ/同じ祖国の少女・李南伊(り・なみ)に一目惚れし、毎夜手紙を届けている昌弦。ある日、南伊と出会った昌弦は、お互いの家族のことや夢のことを仲睦まじく語り合う。だが、その話のさなか、ふたりは川に流されている子犬を見つけて…!? (第43話)●本巻の特徴/昌弦が南伊についにプロポーズ! ところが…!? 運命に引き寄せられるように出会ったふたりの恋愛を収録!!

天上の弦(8)

▼第61話/上を向いて▼第62話/母の面影▼第63話/釜山より▼第64話/嵐の日▼第65話/ニス▼第66話/伝説▼第67話/母の来た道▼第68話/連絡船▼第69話/母の船 ●主な登場人物/陳昌鉉(教員を目指し日本で学ぶが、国籍の問題で挫折。バイオリン製作に興味を持ち、製作家を志す) ●あらすじ/東京でバイオリンを売ろうとしていたとき、偶然にも日本三大バイオリニストのひとり、篠崎弘嗣と知り合った昌鉉。彼は昌鉉の持ってきた九挺のバイオリンを全て買い上げ、さらに子供用にバイオリンを作ってみないかと提案してきた。独学でバイオリンを製作してきたその腕が認められたと、昌鉉は喜びに打ち震える…(第61話)。 ●本巻の特徴/有名なバイオリニスト・篠崎弘嗣に認められ己の技術に手応えを感じた昌鉉は、さらによりよいものを作ろうと、バイオリンに最適なニスを探し求めるのだが…!?

天上の弦(9)

▼第70話/再会▼第71話/ふたりの母▼第72話/浄土▼第73話/帰る日▼第74話/苦い味▼第75話/ストラディバリのチェロ▼第76話/失われた聖書▼第77話/迷路▼第78話/譬え ●主な登場人物/陳昌鉉(バイオリン製作に興味を持ち、製作家を志す。だが国籍の問題で弟子入りできず、独学で製作している)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)、李南伊(昌鉉が木曽福島で知り合った在日二世の少女。昌鉉と結婚し妻となった) ●あらすじ/帰国に胸が高鳴る昌鉉たちを乗せた連絡船が、ついに釜山港へと入港した。そして港では、生き別れた肉親と再会を果たした人々の、「オモニ(お母さん)!!」という歓喜の叫び声が広がっていく。そんな中、昌鉉もまた、ずっと夢見続けた母との再会の瞬間を迎えて…(第70話)。 ●本巻の特徴/日韓両国の国交が回復したことにより、ようやく祖国へ帰ることが認められた昌鉉たち。日本へ渡ってから23年、ひとときも忘れたことのない母との再会を果たした昌鉉は…!? 母の愛に心打たれる、感動の帰郷編を収録。 ●その他の登場人物/貞仁(昌鉉の妹。祖国で母と暮らしている)、成哲(昌鉉の幼なじみ)、仁勲(成哲の弟)、篠崎弘嗣(日本屈指のバイオリニスト。昌鉉の腕を認め、よく面倒を見てくれる)

天上の弦(10)

▼第79話/邂逅▼第80話/地下水脈▼第81話/素晴らしき世界▼第82話/予感▼第83話/埋葬▼第84話/ムーダンの夢▼第85話/フィラデルフィアへ▼第86話/祝祭▼第87話(最終話)/語りかける者●主な登場人物/陳昌鉉(バイオリンの構造に興味を持ち、製作家を志す。だが国籍の問題で弟子入りできず、独学でバイオリンを研究し製作家となる)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)、李南伊(昌鉉が木曽福島で知り合った在日二世の女性。昌鉉と結婚する)●あらすじ/1973年、昌鉉は再び祖国へと帰ってきた。母・大善の容態が思わしくなく、釜山に引き取りたいという妹・貞仁の知らせを受けたからだった。だが、母の身を案じる昌鉉を待ち受けていたのは、なんと身に覚えのないスパイ容疑の取り調べで…!? (第79話)●本巻の特徴/昌鉉の製作したバイオリンは認められ、高値で売れるようになる。昌鉉はフィラデルフィアのコンクールに出品を決意し、さらに製作にいそしむが、ある日、妹から一本の電話がかかってきて…? バイオリン製作家・陳昌鉉の激動の人生譜、感動の最終巻!! 巻末には陳氏と山本氏の特別対談も収録!! ●その他の登場人物/貞仁(昌鉉の妹。祖国で母と暮らしている)、成哲(昌鉉の幼なじみ)、相川先生(昌鉉の家に下宿していた恩師、南方にて戦死)