あらすじパティ一行が次に訪れたキカイの街・セプテゴル。そこで出会ったのはパティと同い年ぐらいの少女。彼女は父親が出稼ぎに出ている為、一人で慎ましく暮らしていた。境遇が似ている彼女と徐々に仲良くなっていくパティ。しかし、ノーマンはある違和感を感じていた…。そして新章開幕! 次の舞台は人界!? ラザニールのある秘密が明らかになる番外編も収録!!
流行り的なものの流れをきちんと把握していないので、恐縮ですが、それでもダンジョン飯以降ダンジョン的な題材を取り込む作品が増えてきた(もしくはそれらにスポットが当たるようになった)ように思います。 しかしながら、(ごく個人的で感覚的なものなのでどこまで一般的なものとして共有できるのかは不安ですが)ダンジョン飯的な感じをダンジョン飯以外からはあまり感じたことが、いままでありませんでした。 そこでようやく、『ウチの使い魔がすみません』の話になるのですが、試し読みの1巻を読んだとき、なんとなく「ダンジョン飯っぽい」と感じました。 この作品には、いわゆるダンジョンは出てきませんし、飯を作ることもないのですが、異世界や異世界の生き物に対する細かさと、それらに対するある種の偏愛が引き起こすギャグのテンポが、ダンジョン飯と似てるのかなと思います。 子供悪魔の使い魔になった人間のノーマンは、魔物研究に取り憑かれた暴走機関車のような男で、シリアスな展開であろうとレアな魔物や悪魔がいれば、解説をまくし立て、鼻息荒くサンプル採取を敢行する、常軌を逸したキャラとして描かれています。 この人間使い魔のノーマンの魔物への偏愛とそれ故の細かい魔物の生態分析が、ダンジョン飯っぽさをわたしに感じさせたのかなと思います。ダンジョン飯も異世界生物を飯の材料としてみる細かさがありましたし、味への探求的偏愛も描かれていたように思いますので。 ただ、あくまでも「っぽい」だけで、作品としての類似性はほぼ無いに等しいです。けど、このっぽさが気に入って読み進めてしまいました。 異常な行動力の持ち主に振り回されるドタバタギャグが好きな人なら楽しめると思いますので、どうぞぜひ。