三蔵法師(さんぞうほうし)たちの長い旅に、ついに終わりが訪れる。襲いかかる妖怪どもを退け、お釈迦さまの待つ天竺へたどり着いた一行。はたして三蔵法師は無事お経を持ち帰れるのか? そして孫悟空(そんごくう)は念願の人間になれるのか? 手塚治虫版西遊記、これにて完結! 少女誌に連載された外伝的作品『リンリンちゃん』を併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『ぼくの孫悟空』(手塚治虫漫画全集MT17~19『ぼくの孫悟空』第6~8巻収録)/『リンリンちゃん』(手塚治虫漫画全集MT19『ぼくの孫悟空』第8巻収録) <初出掲載>『ぼくの孫悟空』 1952年2月号~1959年3月号 漫画王連載/『リンリンちゃん』 1960年3月号~9月号 ひとみ連載
1952年〜1959年に漫画王で連載された作品です。 足掛け8年にもわたって連載された大長寿マンガですが、雑誌掲載時は1回5ページ程度だったとのことで、文庫版にして3巻、1200ページ程度にまとまっています。 手塚先生のアニメ好きは有名ですが、若かりし頃に中国作品の「鉄扇公主」に夢中になっていて、その影響が出ているようです(鉄扇公主みてないのでわかりませんでした。) 当時はかなり人気だったようで、おそらく当時最先端をいくマンガだったことは想像に難くないのですが、さすがに今読むと、読みにくい、わかりにくい部分が目立ってしまいます。 あくまで個人的な感想なのですが、起伏がなく、先が気にならない感じがしました。 ただ、見所だったのが、やはり8年連載を続けているので、後半に行くに従って、かなり読みやすさがアップしていっています。現代のマンガ家さんでも、連載を続けていくに従って実力をアップさせていく例はよくありますが、手塚先生のそれは、マンガ表現の発展をなぞることそのものなので、そういった面ではものすごく興味深かったです。