あらすじ

いびつな月が空に浮かぶ碧王星では、第一次移民と第二次移民との間で長年の戦争が行われていた。第一次移民の国・ハストには、女だけの特殊部隊・特別転送隊がある。それは、現地生物ニーバスの体組織を自らの子宮に移植することで、ニーバスの特殊能力である空間転送を身につけた特殊部隊。妊婦だけの特殊部隊である。主人公マナ・オーガは、転送隊の新兵でありながら、「開拓者」という特異な能力を開花させることで、戦局を大きく動かす可能性を秘めていた。敵の新首都完成が近づくなか、ハスト軍はマナ・オーガの開拓能力による大々的な反撃を企図する。一刻の猶予もない戦況の中、酷使されるマナの身には取り返しの付かない変化が起こっていた。
WOMBS 1巻

▼第1話/入隊 ▼第2話/訓練開始[-3週] ▼第4話/ネスト[-2週] ▼第4話/移植[0週] ▼第5話/拒絶反応[3週] ▼第6話/座標空間[3週] ▼第7話/犬の日[6週] ▼第8話/出撃[8週] ●主な登場人物/マナ・オーガ(徴兵され特別転送隊に配属された新兵。故郷に家族と恋人を残してきた) ●あらすじ/歪な月に照らされる惑星・碧王星。漂流の末たどり着き土地を開拓してきたファースト(第一次移民)と、後からやってきて正規移民を名乗るセカンド(第二次移民)との間で激しい戦争が続いていた。ファーストの一国・ハストに暮らすマナ・オーガは、徴兵され特別転送隊に配属される。いまだその実態がつかめぬ“転送兵”として、過酷な軍隊生活が幕を開けた(第1話)。 ●本巻の特徴/碧王星の統治権を巡り、戦争を続けるファーストとセカンド。卑劣な攻撃を繰り返すセカンドに対し、ファーストたちは大いなる森の主“ニーバス”の体組織を子宮に入れた女性の“転送兵”が活躍する。碧王星の至る所に瞬間移動が出来る“転送隊”に入隊したマナ・オーガの運命は…!? 圧倒的な画力で見るものを引き込む、白井弓子渾身のSFストーリー!! ●その他の登場人物/アルメア軍曹(特別転送隊の特技一等軍曹。現役の転送兵であり、新兵の指導教官も務める)、サウラ中佐(マナとアルメア軍曹が所属している第一特別転送隊の隊長)、ニコルズ軍医(転送隊員の検査や“転送器官”の移植などを担当する)

WOMBS(2)

子宮に異生物ニーバスの体組織を移植された転送兵となり、初の実戦へと赴くマナ・オーガ。連続した転送により、空間を抉り取っていく攻撃的転送で、敵である第二次移民(セカンド)の基地を急襲する。転送兵であることに慣れていくマナだが、その身には異変が生じ始めていた。それを見つめるアルメア軍曹、さらには様々な立場の人々の思惑が交錯する。圧倒的な世界観で迫る、壮大なるSF戦記。2010年度文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦作品。

WOMBS(3)

第一次移民と第二次移民との間で、終わりの見えない戦争状態が続いている碧王星。子宮に現地生物「ニーバス」の体組織を移植し転送兵となったマナ・オーガは、実戦を経て新たな役割を与えられていた。それは転送に不可欠の「ポイント」を新たに作り出す「開拓者」となること。いまだ謎の多い転送兵の存在、転送隊の成り立ちが、徐々に明かされていく。そして、マナの特異な能力は、戦争の行く末にも影響を与えはじめていた。

WOMBS(4)

いびつな月が空に浮かぶ碧王星では、第一次移民と第二次移民との間で長年の戦争が行われていた。第一次移民の国・ハストには、女だけの特殊部隊・特別転送隊がある。それは、現地生物ニーバスの体組織を自らの子宮に移植することで、ニーバスの特殊能力である空間転送を身につけた特殊部隊。妊婦だけの特殊部隊である。主人公マナ・オーガは、転送隊の新兵でありながら、「開拓者」という特異な能力を開花させることで、戦局を大きく動かす可能性を秘めていた。敵の新首都完成が近づくなか、ハスト軍はマナ・オーガの開拓能力による大々的な反撃を企図する。一刻の猶予もない戦況の中、酷使されるマナの身には取り返しの付かない変化が起こっていた。

WOMBS(5)

転送兵マナ・オーガが辿り着いたのは、アルメア軍曹の部隊とはまったく異質の、もうひとつの転送隊だった。マナをめぐり交錯する、軍上層部や転送部長たち思惑。陰謀。そんな中、マナが自らの目で目撃することになった故郷の姿。明かされていくアルメア軍曹やサウラ中佐の過去。原生生物ニーバスの部族・クリムゾンと転送隊との隠された関係。ファーストとセカンド、それぞれが目指した移民の惑星・碧王星で、あらゆるものが衝突し融合し、戦争の歴史を形作っていく。そして、いつ果てるとも知れないドロ沼の戦争は、ついにその終局へ向かって加速度を増していく。マナたち転送兵を抗いがたい運命に巻き込みながら…