あらすじ

皇徳馬は、死期を間近にして、十九年前に別れた息子・翼の行方を追っていた。一方で徳馬の嫡子・陵介は、莫大な財産を独り占めするため、翼を抹殺しようとしていた。遺産相続の問題でようやく重い腰を上げ、徳馬に会おうとした翼だったが、結局死に目に会えず、続いて最愛の母までも何者かによって殺されてしまった翼だったが…!?
鳳凰の翼(上)

M県T市―――この街の中心に広大な敷地を持つ大邸宅がある。人々はこの屋敷を「皇御殿」と呼んだ。昭和41年――物語は、この「皇御殿」の一室から始まる。皇家当主・皇徳馬が女中に産ませた子供、鳳翼の背中には鳳凰のようなアザがあった。母一人子一人、このときはまだこれから辿ろうとする数奇な運命を想像すらできずにいたのであるが――。

鳳凰の翼(下)

皇徳馬は、死期を間近にして、十九年前に別れた息子・翼の行方を追っていた。一方で徳馬の嫡子・陵介は、莫大な財産を独り占めするため、翼を抹殺しようとしていた。遺産相続の問題でようやく重い腰を上げ、徳馬に会おうとした翼だったが、結局死に目に会えず、続いて最愛の母までも何者かによって殺されてしまった翼だったが…!?