文学においてはけっして敵わないと思う同志であり、親友である中原中也に対して抑えきれない嫉妬の炎を感じてしまう小林秀雄。その一方、中也の恋人・長谷川泰子への恋情をおさえきれずに「俺と一緒に暮らしてくれませんか」という禁断の言葉を口にする秀雄。彼の言葉を受け入れた泰子は中也のもとを離れて、秀雄とともに同棲することとなるが、それこそが奇妙でいびつな三角関係の始まりだった… 事実を基にフィクションを交えて描き出す『彼女とカメラと彼女の季節』月子氏の紡ぐ文学者達の青く瑞々しく痛切な青春、第一部完結第3集!