あらすじ

3歳9カ月になった小児自閉症児の長男・ユウタのトイレトレーニングを始めた友美。月に一度の言語療法の日、施設の近くの障害者のための作業所の存在を知り、ユウタの将来について考え始める。障害者の現実についてもっと勉強したいと思い始めた友美は、積極的にセミナーや勉強会に通うようになる。さまざまな人の体験を聞くなかで、障害者もみんなと同じ時間、空間を共有して「みんなの中で生きていく」大切さを実感する友美だった。
はだしの天使 1巻

脇坂友美は難産の末に元気な長男・ユウタを出産した。ユウタが1歳になった頃、友美はユウタが名前を呼んでも振り向かない、自分たちの顔を見ようともしないのに不安を感じるようになった。看護師である友人に勧められ、専門の医療機関で診察をしてもらったところ、ユウタは「精神遅滞を伴う小児自閉症」と診断された──。自閉症児の成長と母子の絆を描く感動の実体験コミック!!

はだしの天使 2巻

自閉症児の長男・ユウタの母親・脇坂友美は、市役所の相談員と話し合い、ユウタを知的障害児のための通所施設「赤い実学園」に通わせることに決めた。施設での単調な「訓練」に疑問を感じつつ、水に興味があるユウタをスイミングスクールに入れたことで、「赤い実学園」の訓練の中からの学びとは違うユウタの成長を感じるようになった友美は、次第に「自閉症児の教育」について考え始めた。

はだしの天使 3巻

ユウタがどこより喜んで通うスイミングスクールで、友美は数人の親子グループと親しくなる。健常児も障害のある子供も一緒に育てばいいという彼らの考え方に触れ、友美は「地域で子育てをする」意識を持つようになる。一方、「赤い実学園」では新任の篠崎先生が新しい担任となった。健常児と比べるのではなく、ユウタの個性を認め、真剣にユウタに向き合ってくれる彼女の姿から、友美は母親としての自分の姿勢を見つめ直すだった。

はだしの天使 4巻

3歳9カ月になった小児自閉症児の長男・ユウタのトイレトレーニングを始めた友美。月に一度の言語療法の日、施設の近くの障害者のための作業所の存在を知り、ユウタの将来について考え始める。障害者の現実についてもっと勉強したいと思い始めた友美は、積極的にセミナーや勉強会に通うようになる。さまざまな人の体験を聞くなかで、障害者もみんなと同じ時間、空間を共有して「みんなの中で生きていく」大切さを実感する友美だった。

はだしの天使 5巻

健常者・障害者の枠を超えて地域の人々と交流する中で、友美は就学前の障害児が通う「赤い実学園」の閉鎖的な教育方針にますます疑問が膨らんでいた。そんな友美の思いを知った新任の山路先生は、友美に攻撃的になり、ユウタにも目を向けてくれなくなる。友美は健常児のママ友の後押しもあり、ユウタを普通幼稚園に入れることを真剣に考えるようになる──。

はだしの天使 6巻

自閉症児の長男・ユウタは母親が付き添うという条件で、近所の友達と同じ市立幼稚園への入園が決まった。友美は障害者も健常者の中で生活することが当たり前の社会になっていくよう市民グループに所属し、障害児について知ってもらえるよう通信にユウタの記事を書くようになった。たくさんの人にユウタを知ってもらい、声をかけてもらうようになり、ユウタと自分の世界が広がるのを実感する友美だった。

はだしの天使 7巻

自閉症児・ユウタの母親・友美は地域の理解を得られていく中で、いまひとつ夫が育児に協力的でないことに不満を持っていた。友美はこれまで尻ごみしていた夫を強引に勉強会に連れて行った。勉強会で見た夫の熱心な視線は友美には意外なもので、さらにそのあとの障害児の父親たちとの交流を経て、夫の意識が大きく変わるのを実感した。夫の態度が変わり、友美は、これまでにない心強さを感じていた──。

はだしの天使 8巻

自閉症児・ユウタを普通幼稚園と障害児のために特殊保育園に通わせていた友美は、普通幼稚園1本に絞り、園生活に付き添うこともやめた。自宅で家事をこなしながらもユウタの様子が気になって仕方がない。問題行動を起こしながらも、様々な個性を持つ子供たちと交流する中でたくましく成長していくわが子に、日々感動する友美だった。子供たちの数だけユウタに接する形がある──。地域で生きる自信を深めた瞬間だった。

はだしの天使 9巻

自閉症の長男・ユウタは地元の公立小・中学に通い、公立高校を卒業して専門学校へ進学した。そして、二十歳を迎えたユウタの就職活動が始まった。「地域で健常者とともに生きる」ために呼びかけと活動を繰り返してきた母親・友美は社会の厳しさと現実に直面しながらユウタの自立を支援した。自閉症児とその母親の奮闘を描いた感動シリーズ、涙の完結編!!