あらすじ

大学のカフェテリアで、無自覚に派手なオーラを垂れ流している男がいる!? 密かに驚愕する晃一(こういち)と偶然相席したのは、三年生の先輩・真嶋(まじま)。実は、神祇院(じんぎいん)の精鋭部隊“七星”の末席に、最年少で抜擢された、期待の新人治癒師(ヒーラー)だった!!  一方、試行錯誤を重ねる眞魅夜(マミヤ)は、ついに言語翻訳機を完成させて…!? 互いに素性を知らぬまま邂逅する晃一と真嶋、会話が成立した神魔将たちとの新たな関係――思惑渦巻く大学生編スタート!!
幻惑の鼓動(1)

高校生の晃一(こういち)は、最近ひどく夢見が悪い。九年前に額にケガをして以来、夢とも現実ともつかない悪夢に引きずり込まれてしまうのだ。自他ともに認める超ブラコンの弟・淳(じゅん)は、そんな不安定な様子の兄が気になって仕方ない。一体、晃一の身に何が起こっているのか…!?兄弟にかけられた封印が、今解かれ始める──

幻惑の鼓動(2)

精神を侵食するように、悪夢と異変が続く晃一(こういち)。そんな晃一を心配げに見守るのは、弟の淳(じゅん)と、どこか思惑あり気なクラスメートの塔谷(とうや)。一方、淳に過剰な執着をみせる親友の神生(かみお)は、敵意も露に邪魔な存在・晃一の前に現れるが、その手に触れた瞬間、二人の意識は融合して!?晃一の中で、何者かが確実に目を覚ます…。

幻惑の鼓動(3)

俺の中に何かがいる、何もかもが見えてしまう!!神生葉月(かみおはづき)との接触により≪邪眼≫が覚醒した晃一(こういち)。動揺から、無意識に暴走する晃一を助けたのは、彼を保護者のように見守る級友の塔谷(とうや)だった…。同じ頃、神生邸の地下で眠る少年≪蓮≫(れん)にも異変が起きる。荒れる≪蓮≫の気を鎮めるため、生贄として葉月が御柱に選ばれるが──!?

幻惑の鼓動(4)

学校を休む葉月(はづき)を探し、神生(かみお)邸に赴く晃一(こういち)と淳(じゅん)。そこで晃一は夢に現れた紋様と同じ護符を見る。これは単なる偶然なのか?悩んだ晃一は、級友の塔谷(とうや)に紋様を見せてみるが、そのとたん彼の様子が一変!!警戒も露に睨んできて…!?そのうえ、驚き傷つく晃一の前に、異界から葉月が、激しい妄執を抱いて戻ってくる──。

幻惑の鼓動(5)

葉月(はづき)に精神を囚われ、意識不明となった晃一(こういち)。「おまえが呼ぶなら、地獄の底だって行ってやる」捨て身で晃一の精神世界へ飛び込んだ塔谷(とうや)は、彼を助け出し、失いかけていた信頼を取り戻す。けれど救出された晃一は、葉月に襲われた忌わしい記憶に、夜ごと苛まれることに──。そしてそれは晃一の心を蝕み疲弊させて…!?

幻惑の鼓動(6)

葉月(はづき)に夜ごと襲われる悪夢を断ち切るため、塔谷(とうや)と一緒に、神生(かみお)邸を訪れた晃一(こういち)。ところがそこで、≪蓮≫(れん)と共鳴して晃一の≪邪眼≫が発動!!晃一を守ろうとした塔谷を失神させ、同時に葉月をも、死界から復活させてしまう。非常事態に慌てた「塔谷」と「神生」両家は葉月を拘束し、晃一を監禁しようとするが…!?

幻惑の鼓動(7)

監禁された「塔谷(とうや)」家の牢から脱走した晃一(こういち)。晃一の濃密な≪気≫に飢えた葉月(はづき)も、策略を弄して「塔谷」家を脱出!!自由を手に入れると、晃一の弟・淳(じゅん)を囮に、晃一を公園におびき出す。そんな一触即発な事態に、晃一の身を案じて公園へ駆けつける塔谷。「天野(あまの)を返せ」と迫る塔谷は、葉月とついに全面対決へ──!!

幻惑の鼓動(8)

葉月(はづき)との接触で、「天野(あまの)」本家へ飛ばされた晃一(こういち)。そこで御神体の緋水晶を体内に取り込み、神将≪羅鬼≫(らき)として、前世の記憶を取り戻す。一方、塔谷(とうや)も≪刀邪≫(とうや)の意識が完全に覚醒!!前世で羅鬼を失った、刀邪の深い慟哭を知る。「今生の刀邪として、おまえは俺が守る!!」晃一への約束を、塔谷は固く胸に誓うが…!?

幻惑の鼓動(9)

九年前、幼い天野(あまの)兄弟を襲った犯人は、なんと「天野」本家の後見人だった!!激怒する晃一(こういち)は一族の前にルーシェを召喚。「二度と手出しは許さない」と宣言する。そんな晃一の桁外れの力に一目で魅せられた「神生(かみお)」の次期当主・彰(あきら)。彼は、次代の「蓮(れん)」の座に晃一を据えようと密かに激しい執着を募らせてゆく――。

幻惑の鼓動10巻

「天野(あまの)」本家の魅耶(みや)に、晃一(こういち)の子を生ませる――血族総意の元、「神生(かみお)」の次期当主・彰(あきら)の策略が密かに進行。けれど、血族を出し抜き晃一の獲得を狙う彰は、ある日晃一を自室へと誘う。そこで薬を盛られ、体の自由も意識も奪われた晃一。その気だるい表情に煽られた彰は、「俺を誘うおまえが悪い」と強引に抱いてしまい…!?

幻惑の鼓動11巻

彰(あきら)からの暴行で受けた、晃一(こういち)の深い心の傷…。その後遺症を知った塔谷(とうや)は大激怒!!「晃一を守るためなら、手段は選ばない」と血族へ反旗を翻す。けれど、晃一への日ごとに募る執着――これは刀邪(トーヤ)の記憶なのか?前世での羅鬼(ラキ)への想いを、晃一に重ねる塔谷だが…!?刀邪の恋を描く前世編「真名を継ぐ者」も収録。

幻惑の鼓動12巻

仮死状態から蘇生した彰(あきら)が、門外不出の宝刀「麒麟(キリン)」で塔谷(とうや)を刺した!?家族旅行中だった晃一(こういち)は、塔谷の異変に瞬間移動(テレポート)で駆けつける。けれど、塔谷はすでに意識不明の重態だった!!「おまえが死ぬなんて許さない」――いつも傍らにあった存在の、突然の喪失の予感に晃一ははじめて塔谷への恋を自覚するが…!?

幻惑の鼓動13巻

朱金の髪に、紫紺の瞳──先祖返りした外見で、晃一(こういち)に「好きだ」と告白した塔谷(とうや)。前世からずっと抱えてきた想いに、晃一もキスで応え、永きに亘る片恋は、ついに終止符を打つ──。ところが、恋を自覚し、艶を帯びた晃一の《気》に刺激され、葉月(はづき)の失われた記憶が覚醒!!呀雷(がらい)の神獣・タルパが目覚めてしまい…!?

幻惑の鼓動14巻

塔谷(とうや)の戒縛に苛立つ「蓮(れん)」が、岡島(おかじま)に憑依した!?守護聖獸タルパの力を求め、葉月(はづき)の額の忌石を狙った「蓮」。そんな「蓮」の焦燥は、塔谷の恋にシンクロする。──俺だって解放されたいのに。晃一(こういち)と両想いにはなれたけれど、拒絶が恐くて手が出せないのだ。ところがある日、晃一から「俺とセックスしたいか」と問いかけられ…!?

幻惑の鼓動15巻

前世から焦がれた晃一(こういち)を、初めて抱いた塔谷(とうや)。けれど不安は少しも消えず、強い飢渇感だけが募っていく…。そんな二人の関係を、《気》の変化から敏感に気づいた葉月(はづき)は、大ショック!!「檻の中で待つだけじゃ、取り残される──」激しい疎外感と、塔谷への嫉妬にうちのめされ、結界から脱走すると、晃一の家を訪ねるが…!?

幻惑の鼓動16巻

神生(かみお)邸の《蓮(れん)》の結界が、ついに破れた…!!駆けつけた晃一(こういち)がそこで霊視したのは、今生の呀雷(ガライ)の衝撃の顔。なんと弟の淳(じゅん)に瓜二つなのだ。さらに闇の深淵には、呀雷が抱き続けてきた剣に貫かれた羅鬼(ラキ)の姿…。報告を受けた塔谷(とうや)は、羅鬼の死に晃一を重ねて、激しく動揺するが!?結界崩壊まであと五日、滅の日迫る──!!

幻惑の鼓動17巻

ついに来た、結界崩壊の日──。『蓮(れん)』の眠る神生(かみお)邸に塔谷(とうや)と赴いた晃一(こういち)。その結界の深淵で晃一は、呀雷(ガライ)の剣に貫かれた羅鬼(ラキ)と邂逅!! 羅鬼に乞われるまま、かつての同胞・呀雷の魂を浄化させ、ここに結界は完全消滅した──。ところが時を同じくして、晃一の弟・淳(じゅん)が自覚のないまま頻繁に前世の夢を見始めて…!?

幻惑の鼓動18巻

結界が消滅して以来、なぜか異世界で戦う夢を頻繁に見始めた淳(じゅん)。夢の中の晃一(こういち)にそっくりなこの人は一体誰なんだろう…。夢の意味が気なる淳は、ある日かつての親友・神生(かみお)に再会。額の忌石を見てしまうが、それが晃一や塔谷(とうや)と同じ「選ばれた者の証」と知って呆然自失!! 疎外感から、夢の謎を解こうと調べ始めるが!?

幻惑の鼓動19巻

神生(かみお)の額にある忌石…あれは本来俺のものだ!! 霊玉タルパの所有権を確信し、神生に「返せ」と迫った淳(じゅん)。けれど、眷属としての証を失えない神生は激しく拒絶!! 晃一(こういち)との強い絆が欲しい二人は、ついに決裂してしまう──。そんな不安定な淳を心配する晃一は、ある日訪れた霊障地で、なんと前世の都・吼都眞(ホツマ)を霊視して!?

幻惑の鼓動20巻

黒龍沼(こくりゅうぬま)で結界が崩壊し、封印を解かれた蛇神が人を襲い始めた──!! 要請を受けて現場に向かった塔谷(とうや)は、晃一(こういち)と葉月(はづき)の力を借りて、祟り神の滅却に成功する。けれど後日その地を訪れた塔谷の姿を、異界からの訪問者が目撃!! かつての最年少の仲間「刀邪(トーヤ)」の気を感知し、神魔将の長(おさ)・羅鬼(ラキ)へと繋がる希望に逸るが…!?

幻惑の鼓動21巻

文化祭当日、高校上空に謎の光点が現れた!? 正体を見極めようと近づいた塔谷(とうや)は、そこで前世の神魔将、琉王(ルオー)と紗那(シャナ)に邂逅!! けれど、話しかけてもなんと言葉が通じない!? 険悪な空気の中、現場に駆けつけた晃一(こういち)は、心話で琉王と意思疎通に成功。けれど、「俺が今生の羅鬼(ラキ)だ」と告げた途端、琉王は激怒を露にして!?

幻惑の鼓動22巻

穢(けが)れた気を纏う葉月(はづき)が、神獣タルパの継承者!? 神生(かみお)邸跡地で晃一(こういち)や塔谷(とうや)と対峙していた琉王(ルオー)は、驚愕の事実に呆然!! 葉月も、琉王と紗那(シャナ)が淳(じゅん)の描いたゲームキャラに酷似していると気づく。もしや神魔将は、ゲーム同様12人もいる──!? 桁外れの霊力を持つ琉王たち、そして前世の記憶を持つ淳に、葉月は焦燥を募らせて…!?

幻惑の鼓動23巻

晃一(こういち)と塔谷(とうや)は、転生した前世の神霊だった!? 葉月(はづき)との情報交換で、少しずつ真実に近づく淳(じゅん)。同じ頃、平岡公園に巣食う妖の正体を探るため、晃一は神眼ルーシェを発動!! その溢れ出す神気に、見守っていた琉王(ルオー)と紗那(シャナ)は驚愕する。「これは間違いなく、神魔将の長たる光貴──」羅鬼(ラキ)の気を纏う晃一に、二人は心を奪われて!?

幻惑の鼓動24巻

「穢(けが)れ者がコーイチを凌辱している──!?」葉月(はづき)が晃一(こういち)の《気》を貪る、いつもの食事風景。それを神魔将たちに目撃されてしまった!! 最近、晃一への興味を隠さなくなった琉王(ルオー)は、一瞬で理性が吹き飛び大激怒!! 渾身の一矢を放ってしまう。けれど、咄嗟に防御結界を張った晃一が、全員を亜空間(オル=ファン)へと転送して…!?

幻惑の鼓動25巻

あんなに反発していたのに、紗那(シャナ)がコーイチと会っている!? 「悪食」の中川(なかがわ)の暴走を、紗那が結界を張って守ったと聞いて、琉王(ルオー)は愕然!! 晃一(こういち)に惹かれる紗那に、胸騒ぎを抑えられない。けれどそんな時、突然謎のクレーターが出現!! 駆けつけた晃一が邪眼で視たものは、なんと異界にいる神魔将が放った伝令だった──!?

幻惑の鼓動(26)【SS付き電子限定版】

【電子限定版】描き下ろし番外編「なんて素敵な贈り物」収録。●羅鬼(ラキ)の参謀にして右腕、眞魅夜(マミヤ)は生きている!! 生存を確信した琉王(ルオー)は、希望と同時に一抹の不安を拭えない。膨大な時を孤独にさすらう眞魅夜は、果たして変質してはいないか──? 紗那(シャナ)もまた、迫る再会の時を前に、羅鬼への忠誠とは異なる、晃一(こういち)への想いを自覚する。そんな中、ついに虚空門が出現する──!!

幻惑の鼓動27巻

今生の羅鬼(ラキ)に早く会いたい──。再会に逸る眞魅夜(マミヤ)は、虚空門を偵察中、そこで偶然晃一(こういち)と遭遇!! 「神眼も発現していない、あんな貧弱な器が羅鬼の転生体なのか!?」晃一の纏う気に驚愕し、ますます興味を煽られていく。同じ頃、神祇院(じんぎいん)の長老から、「神降ろしの霊視眼」に会いたいと、塔谷(とうや)に厄介な召還命令がくだり!?

幻惑の鼓動(28)【おまけ付き電子限定版】

【電子限定版】描き下ろしおまけ番外編「おまえが言うか」収録。●「神霊憑きの霊視眼」の能力値が知りたい──。神祇院の精鋭“七星”を晃一に潰されても、怒るどころか興味津々の若き総帥・九条。自ら立ち合いの元、晃一のテストをすることに…。けれどその試験場は、辿り着くことすら困難な神佑地の聖域だった!! しかも、その上空では眞魅夜たち神魔将が成り行きを見守っていて!?

幻惑の鼓動29巻

大学のカフェテリアで、無自覚に派手なオーラを垂れ流している男がいる!? 密かに驚愕する晃一(こういち)と偶然相席したのは、三年生の先輩・真嶋(まじま)。実は、神祇院(じんぎいん)の精鋭部隊“七星”の末席に、最年少で抜擢された、期待の新人治癒師(ヒーラー)だった!!  一方、試行錯誤を重ねる眞魅夜(マミヤ)は、ついに言語翻訳機を完成させて…!? 互いに素性を知らぬまま邂逅する晃一と真嶋、会話が成立した神魔将たちとの新たな関係――思惑渦巻く大学生編スタート!!

幻惑の鼓動30巻

心優しい先輩だと思っていたのに俺たちの縁はここまでなのか──? SSS(トリプルエス)の霊視眼を取り込む交渉は、神祇院(じんぎいん)の大惨敗!! 霊力を解放した塔谷(とうや)に捻じ伏せられ、根深いトラウマを植え付けられてしまった真嶋(まじま)。けれど、少しも諦めない総帥・九条(くじょう)は、拒否権ナシの厳命を下す。「直接おまえが出向いて言霊で縛れ」その相手が、大学の後輩・晃一(こういち)だと知って愕然とするけれど…!? 何もオーラを感じない人畜無害な青年は、神祇院が渇望する逸材だった!? 異端の言霊使いと晃一が、ついに全力で対峙する──!!