あらすじモテない、サエない人生を送ってきた柊志に、突然、輝かしい人生をつかむチャンスが訪れた!?それは、21世紀からきた少年・ハルの代わりに、「エンジェリック・ハウス」という新しい音楽を世の中に発表することだった。けれど、その音楽には人の煩悩を溶かしてしまう力があって……。ハルが20世紀にきた目的とは!?柊志とハルは、この世界を救うことができるのか……?安野モヨコが描く、近未来SFワールド!!
柊志は、モテない、サエない、いじめられっ子の中学3年生。 ある日突然、21世紀から来たハルが教室に現れる。 柊志以外の学校関係者は、ハルは以前からいたと催眠作用のある音楽で暗示をかけられていた。 ハルは20世紀を救うためにやってきたという。 21世紀では罪になるハルの作った音楽柊志に発表して欲しいと頼まれる。 その曲は『エンジェリック・ハウス』といって人々を幸せにする音楽であると聞かされる。が、実際は、『無に帰す』昇天する、すなわち『死』を意味するものであると。 その音楽は爆発的にヒットし、柊志も国民的スターになっていく。 ハルは言う。 20世紀の人類が何も考えずに作っては壊しを繰り返し、汚して、地球を壊してしまったから、何十年も復興したときに異常なまでの『自主規制』をしき、平らな地面に服装もほぼみんな同じ、天気すらコントロールされ、特別な変ったものの存在しない世界になり、心の動きを一切封じられてしまった。 それを壊しに、自分はやってきたのだ。たった一人で…。