あらすじ

傷ついた心、かつて人であり現在は魂となって漂うもの……そんな人の目には見えざるものを見、彼らを癒す力をもつ少年・斎(いつき)。自らの意志からなのか、救いを求める魂が呼んだのか、斎は山を下り、下界(した)に暮らす人々と関わりを持つ。N市ニュータウンで、乳児の生き埋め死体が発見されたのは昭和62年の夏。それから3年、子供を殺され、以前とすっかり変わってしまった姉に妹の森居和子は心を痛めていた。“勉強もできてきれいでお母さんの自慢だったお姉ちゃん。何もかもあんなに幸福だったのに”。見知らぬ優しい笑顔の少年は、そんな和子に声をかける。「やさしい少女」「うそつきの子供」ほか、「シリーズ斎」6編を収録。
さちみりほホラー選集(1) サイコ・ホラー集

2月13日の朝、川崎美奈子が見たのは同級生の野村りえを切り刻む夢。これは私の願望?美奈子は学校でりえ達のいじめの標的にされていた。優しく声をかけてくれる早田先生に恋心を抱きながら……。明日のバレンタインデーには先生が好きなホワイトチョコを贈りたい。りえ達のいじめがエスカレートするなか、美奈子に悪夢が蘇る!!「バレンタイン・イブ」のほか、「私の時間」「人形になりたかった少女」「タロットを繰る女」「妖怪堂」など8編を収録。人間の孤独、悲しみ、悪を繊細に描き出したさちみりほの傑作サイコホラー短編集。

さちみりほホラー選集(2) シリーズ斎I

傷ついた心、かつて人であり現在は魂となって漂うもの……そんな人の目には見えざるものを見、彼らを癒す力をもつ少年・斎(いつき)。自らの意志からなのか、救いを求める魂が呼んだのか、斎は山を下り、下界(した)に暮らす人々と関わりを持つ。N市ニュータウンで、乳児の生き埋め死体が発見されたのは昭和62年の夏。それから3年、子供を殺され、以前とすっかり変わってしまった姉に妹の森居和子は心を痛めていた。“勉強もできてきれいでお母さんの自慢だったお姉ちゃん。何もかもあんなに幸福だったのに”。見知らぬ優しい笑顔の少年は、そんな和子に声をかける。「やさしい少女」「うそつきの子供」ほか、「シリーズ斎」6編を収録。

さちみりほホラー選集(3) シリーズ斎II

島元光夫の兄・島元信彦は、東京で弁護士になる夢を抱き、工場と廃液と汚職の街を出た。この街の不正を正すと意気込んで。しかし、右も左も分からない東京で都会の女に騙され、莫大な借金と遺書を残して亡くなる。そんな信彦の葬儀に、あろうことか信彦に貢がせていたという女性が現れた。初七日、四十九日、月命日……半年経っても変わらず訪れる彼女を、光夫は気にかける。そしてある日、光夫の前に現れた少年は意外な言葉をかける。「やっぱり前より強くなってる……河へ行って。お兄さんが泣いてる……」と。「花を抱いて」のほか、「シリーズ斎」から待望の単行本未収録作品4編を所収。心傷ついた人が運命の岐路に立つとき、謎の少年・斎が現れる。

さちみりほホラー選集(4) ホラー&ファンタジー集

その病院の小児病棟では、毎週小さな人形劇が行われていた。長期入院の子供達のために、白いヒゲを生やしたおじいさんが手製の人形を動かし、すてきな話を聞かせてくれる。長い入院生活でわがままになってしまった真名は、人形劇もおじいさんも拒絶していた。しかし、ある夜、おじいさんが置いていった兵隊の人形がしゃべり始め、真名は人形を通しておじいさんの人生を知る。少女に優しい光をもたらした佳作「真名のゆめ」をはじめ、5編のホラー&ファンタジーを収録。なかでも「死者達は笑う」シリーズの原型となった「いつか花の降る日に」は必見!!

さちみりほホラー選集(5) 死者達は笑うシリーズI

MSビルの地下“ジグザグ”で、ギグ中に爆破事件に巻き込まれ死んでしまった3人。リーダー(雨宮彼方)、ちっちゃん(鳥遊千冬)、瀞宮(瀞宮伊周)は、昇天できず幽霊(ゾンビ)としてこの世をうろついている。「つまんない」を理由に、死ぬつもりで崖の上に立った中学生・るみね。落ちて目を覚ましたとき目の前には3人の幽霊がいた。彼らが見えるってことは自分も死んだということ?一番お洒落した姿で死んだつもりが、セットの乱れた自分の死体に大幻滅!!けれども3人の死者達の励ましに、幽霊ならではの楽しみを教えてもらう。笑って泣けて、ちょっとほっこりできるさちみワールド全開の怪奇傑作シリーズ「死者達は笑う」、第1話~第3話を収録。

さちみりほホラー選集(6) 死者達は笑うシリーズII

やっぱり死んじゃったんだ、あたし……。“早く学校へ戻らなくちゃならないのに、綾瀬が待っているんだから”。冬の放課後、小学5年生の竹岡は発表会のレポートを自宅まで取りに戻り、その帰り道で交通事故に遭った。同級生で班長の綾瀬が待つ学校へ、レポートを届けようとした途中での出来事だった。何とかレポートを、綾瀬の元へ届けたい。少女の一途な思いを叶えようと、ゾンビーズの3人(雨宮彼方、鳥遊千冬、瀞宮伊周)は行動を開始する。「死者達は笑う」第四話~第六話までを収録した、心温まるホラーコミック。ゾンビーズは今日も明るく腐ってます!!