時は明治の始め。商家の娘・菊乃は維新で失業した忍・清十郎と出会う。ある目的のために、菊乃は彼に偽装結婚を持ちかけて?
時は明治。女学校に進む事を目論む菊乃は、その勝ち気な性格ゆえに様々な事件に巻き込まれる。それを救うのは、元忍びで許嫁・清十郎の仕事だけど…!?
居留地に住むイギリス紳士たちのホームパーティーに招かれた菊乃と清十郎。そこで出会った青年・ランスと清十郎が銃で決闘を…!?表題作のほか「冷蔵庫の中に象」を2編収録。
菊乃が危機に陥る度に、元伊賀忍の清十郎は地味な忍術を使って解決する。最初は偽りの関係だったものの、二人の間に微妙な感情が芽生えてくる。ただの興味?それとも嫉妬か愛情か…?
花が咲く頃、搦め手を用い陸軍の大尉・楡が清十郎の過去を調べ始めた。上野、北越、箱館…。楡が追う足跡は本当の清十郎なのか、それとも…?
女子師範学校が休みになり、横浜にやってきた菊乃。そこで英国人主催の仮装舞踏会に出席することになり…。一方、菊乃への想いに戸惑いつつ、密かに舞踏会に紛れこんだ清十郎を待っていたのは刺客からの銃弾だった!
夏休みが終わり女子師範学校の授業も再開されるが、菊乃は清十郎に結婚を申し込まれたばかりで勉強にさっぱり集中できない。会えない時のために日本橋の写真館に出向こうとする菊乃だが清十郎はなかなか承諾しない。渋る彼をなんとか連れ出したまではよかったが、密室殺人事件に巻き込まれ!?
不平士族の行き場のない怒りが日本を揺さぶり始めた明治9年。政府の太政官監部課は秘かに清十郎の調査を開始する。一方、国家転覆を目論む桐生も反乱の準備を進めていた…。元伊賀忍・清十郎の過去を巡り様々な思惑が交差する。果たして本当の清十郎とは何者なのか?
婚約者である清十郎の秘密を追えば追うほど互いの間に横たわる溝の深さに混乱してしまう菊乃。間違いないのは清十郎をどうしようもなく好きという事実だけ。青い百合や春画を巡る事件を経ても、近づき離れる二人の心。一方、これまで任務以外で女を抱いたことのない清十郎にも変化が現れていた。それは菊乃への甘く苦い渇望だった…。
偽りの婚約をした菊乃と清十郎。互いの間に横たわる溝の深さを感じつつも、次第に惹かれ合うようになり…。そして、クリスマスの夜。リンデン家のパーティーからの帰り道、雪の降るなか、清十郎は菊乃の手を取り頬に寄せ……!?
とある事件で、菊乃は清十郎の拇印が子供の時のものとは違うことに気づく。それがきっかけで、清十郎の、自分への想いを信じきれなくなってしまって…!?