あらすじ

浄めの儀式の最中、いきなり覚醒した和希。しかも和希のせいで参界中は水浸し、新生活の第一歩は超最悪。天門の封印の限界が近づく今、覚えることも盛り沢山。果たして、和希はちゃんと≪使える玉≫になれるのか……?一方、天門の向こうでは、思わぬ事態が起こっていた――…。「天のひみつの物語」玻離宮篇、本格スタート!!
冥のほとり ~天機異聞~(1)

願わくは花の下にて――春……満開の桜、新しい友だち、入学式に大好きな父。和希は中学生になったばかりの平凡な少女。父は仕事で遠く離れて暮らしているけれど、毎夜電話で話しかけてくれる。幸せな日々は、ずっと続くはずだった。だが……。和希には知る由もなかった。父のいる所がどんなに遠く、何が起ころうとしているのか。きっかけは、途絶えた電話。ささやかな願い――お父さんの声が聞きたいよ……。高橋冴未が綴る天のひみつの物語、開幕!!

冥のほとり ~天機異聞~(2)

「僕についてくれば、家に帰してあげる」翡翠の言葉を信じ、玻璃宮から遠ざかる和希。取り戻そうとする転輪王達。目の前で繰り広げられる、ありえない事の数々に和希は不安げに訊ねる。「ねえ、ここ、日本じゃないの…?」「そうだよ」優しく笑う翡翠が告げる、残酷な現実。ここは、神様が人間と人間の世界を管理するために創った世界――。幼い和希の心に押し寄せる恐怖と絶望。混乱の果て、和希の中で長い間息を潜めていた「彼女」が沈黙を破る。和希、ひとりでがんばるしかない、天のひみつの物語、第二幕!

冥のほとり ~天機異聞~(3)

「君の体の中にこれと同じものがある」――。翡翠が和希に見せたそれは、美しく輝く玉。手に入れた者のどんな望みでも叶えるという禁断の宝珠。翡翠に玉を奪われそうになった和希は彼のもとを逃れ、玻璃宮を目指す。玻璃宮に行けば大丈夫。お父さんが、きっとなんとかしてくれる。そう信じて、たどりついた門をくぐる。しかし、玻璃宮では閻羅王によって非情な決断が下されていた――。第一部完結までを収録した、天のひみつの物語、第三幕!!

冥のほとり ~天機異聞~(4)

奇跡的に意識を取り戻した和希は元の生活に戻る。「和希のことは、今はそっとしておいて」――琳花の願いに、転輪王達はただ和希を見守ることしかできないまま。そして三年の月日が流れ……。和希覚醒。天のひみつの物語、第二部スタート!!

冥のほとり ~天機異聞~(5)

浄めの儀式の最中、いきなり覚醒した和希。しかも和希のせいで参界中は水浸し、新生活の第一歩は超最悪。天門の封印の限界が近づく今、覚えることも盛り沢山。果たして、和希はちゃんと≪使える玉≫になれるのか……?一方、天門の向こうでは、思わぬ事態が起こっていた――…。「天のひみつの物語」玻離宮篇、本格スタート!!

冥のほとり ~天機異聞~(6)

「俺は天界を再生する。人も物も何もかも」――。蒼天王の望みは、参界にあるものすべてと玉――和希。参界を守るため、玻璃宮は臨戦態勢に入る。和希も実戦訓練を始めるが、ついこの間まで普通の女子高生だった和希にとって、それは想像を遥かに超えて厳しいものだった……。そして密かに放たれていた蒼天王の焔が、参界を崩壊させるべく動き出す――!!「天のひみつの物語」目が離せない、急展開の第六弾!!

冥のほとり ~天機異聞~(7)

蒼天王の玉・華[王炎](かえん)に攫われた和希、それを取り戻そうと焦る玻璃宮(はりきゅう)の面々。だが彼らの前に、さらなる蒼天王の牙が襲いかかる……!!一方、蒼天王のもとに連れてこられた和希は、蒼天王の玉となることを迫られて――。物語は、いよいよクライマックスへ。お楽しみ番外篇ニ篇も収録した「天のひみつの物語」第七弾!!

冥のほとり ~天機異聞~(8)

蒼天王のもとから逃げ出した和希と琥珀は玉樹に導かれ、天界の記憶をかいま見ることになる。はるか昔、この世の楽園と謳われた天界。だが参界に玉象(ぎょくしょう)・閻羅王(えんらおう)・転輪王(てんりんおう)が誕生し、四洲(ししゅう)の“獣”に魂魄が宿り、永遠の生を謳歌していた天人にも、ある変化が現れ始める――…。いよいよ、天乱の真相が明かされる――!!「天のひみつの物語」過去篇一挙収録の第八弾!!

冥のほとり ~天機異聞~(9)

蒼天王は、天界を救おうとしただけだった――…。天乱の真実を知り、蒼天王を倒すことに躊躇いを覚える和希。だが蒼天王の剣は容赦なく振り下ろされる!!参界のため、天界のため、和希が出した答えとは?そしてその果てに待つ、驚愕の真実とは……!?転輪王(てんりんおう)と閻羅王(えんらおう)のアレの謎が解ける番外篇も収録。「天のひみつの物語」、ついに堂々の完結!!