あらすじ

不安な時、ひとはどうして、何気ない出来事でも嫌な方向に深読みしてしまうのか? 優奈のおなかの子の父親が梢六であること。その梢六が、実は御曹司の血筋であること。一弥が必至で隠してきた事実を、ついに師匠が知ることに! 師匠の娘婿になる道を断たれたことは、歌舞伎役者・澤山一弥としての命を絶たれたにも等しい。絶望の淵で、一弥は恭之助にも見捨てられたと感じた一弥は、最悪の決断を…! 衝撃と感動の意第14巻!
ぴんとこな 1巻

家柄が重んじられる歌舞伎界において、名門の御曹司として生まれたにも関わらず、実力のない恭之助。歌舞伎とは無縁の家に生まれながら、実力のみで最底辺から成り上がろうとする一弥。正反対の2人の男が、なんの因果か同じ女の子・あやめに恋をしたのが物語の始まり。歌舞伎を愛するあやめに好かれたい恭之助は、コネなんかいらないから実力が欲しいと悔し涙を流す。あやめの目の前で主役を張りたい一弥は、名門の養子になろうと…?

ぴんとこな 2巻

一弥はごく普通の家庭に生まれた、ちょっと人より頭のいい男の子。初恋の女の子・あやめの笑顔が見たくて、小6の時から歌舞伎を始めるも、あやめは<ある事情>から一弥の前から姿を消してしまう。それから数年、有名な歌舞伎役者になれば、あやめが自分のことを見てくれるのではないかという一縷(いちる)の望みをかけて、一弥は歌舞伎役者の道を精進するが、門閥外の一弥がどれほど練習しても、良い役はいつも同い年の御曹司・恭之助に取られてしまう。そんな時師匠から「俺の娘と結婚して、養子になるか?」と言われ…?

ぴんとこな 3巻

歌舞伎の名門木嶋屋宗家の御曹司・恭之助は芸に対してやる気ゼロだったが、クラスメイトのあやめに恋して、もう一度歌舞伎を頑張ることに決めた。だがあやめには幼少の頃から想い続けている相手がいた。その相手とは、同い年の歌舞伎役者、一弥だった。ある日、あやめと一弥の絆の強さを痛感する出来事が起きてしまう。再び頑張る意味を見失い、自暴自棄になる恭之助のもとに、一弥と共演する舞台の話が舞い込んでくる。実力差を見せつけてやろうと、特訓をする恭之助だったが…?

ぴんとこな 4巻

見事な復活を遂げた恭之助の圧倒的存在感のある演技を目の当たりにした一弥。歌舞伎役者として負けたくないという気持ちが強くなっていく。役者としての成功の為には師匠の娘・優奈との関係を続けていくことが一番の近道だが、あやめへの恋心を抑えることができない。一弥の葛藤は続く。一方、一弥とあやめの関係に気づき始めた優奈は、偶然を装ってあやめとの再会を果たす。その画策の裏には、ある人物がいて…。恋に歌舞伎に、ますます複雑な人間模様が絡み出す!

ぴんとこな 5巻

歌舞伎への自信もあやめも失い、自暴自棄になる一弥。そんな一弥の様子に、恭之助は、あやめを傷つけたことを責めることも忘れ、衝撃をうける。さらに、一弥は驚くべきことを伝える。『もういいんですカブキやめるつもりですから』一弥の引退発言を受け、想像以上に狼狽えてる自分に驚く恭之助だが、その気持ちの正体は分からない。恭之助にとって、目障りな存在のはずの一弥。だけど、辞めてほしくない。一弥に何とか引退を思いとどまらせようと、恭之助はある行動に出る――!

ぴんとこな(6)

恭之助との共演により、一弥は歌舞伎の道を極めようと決意を固める。「僕は立場も実力も恭之助さんに並んでみせる」それは、すなわち優奈と結婚して、澤山家の婿養子になるということだった。一方、不用意な言葉であやめを怒らせてしまった恭之助の元に、女形の話が舞い込んでくる。女心を学ぶべく不慣れな女形に挑戦することになったが、なかなか上手くできない上に、共演者たちはまったく意欲なし!次の舞台に焦りを感じ始める恭之助に救いの手を差し出したのは――!?恭之助と一弥。光と影、それぞれの道を邁進する二人の明暗差が深くなる…!さらに大きなうねりの中に突入する第6巻!!

ぴんとこな(7)

ついに恭之助、初の女形をつとめる舞台の幕があがった。自分の中に掴んだ”お光”を全身で演じる恭之助だが、ヤル気のない共演者・竹太郎との不協和音が続く。やきもきする恭之助だが、竹太郎には、本気になれない理由があった。一方、婚約者・優奈にちらつく他の男の影に苛立ちを感じる一弥。歌舞伎界での後ろ盾を手に入れるため、と自分の感情を押し殺そうとするが…。さらにはあやめの心の中で恭之助が徐々に大きくなってゆき-…!?恭之助、一弥、あやめ、三者の関係が大きく変わる!激動の第7巻!!

ぴんとこな(8)

父親が倒れたことで動揺する恭之助を心配し、病院に駆けつけた一弥が見たのは、恭之助とあやめの親密な姿だった。あやめの気持ちが自分から恭之助に移った寂しさを感じる一方、恋愛にかまけて歌舞伎を疎かにしている恭之助に憤る一弥。恭之助への嫉妬や羨望、失望感など混沌とした想いを断ち切るように舞台に没頭していく一弥だったが、殺人者である”与兵衛”の役を掴みきれずにいた。そんな中、舞台の山場である殺しのシーンで、一弥は重大なミスを犯し-!?不遇の秀才、一弥の才能がついに覚醒する!戦慄の舞台シーンに鳥肌必至の第8巻!

ぴんとこな(9)

次の舞台で、恭之助と一弥をコンビ売りすることに。互いにやる気をみなぎらせ、切磋琢磨する二人だったが、舞台本番直前、恭之助に問題発生!初の一人二役に混乱し、演じ方が分からなくなってしまう。さらには、舞台に無関係のはずの完二郎が不審な動きをし始める。一方、歌舞伎に集中する恭之助に一抹の寂しさを感じるあやめ。恭之助への気持ちが確信に変わる中、恭之助の母の一言に、あやめの心は大きく揺れ--!?恭之助の役者人生、最大の窮地到来!波乱に継ぐ波乱の第9巻!

ぴんとこな(10)

なんとか舞台降板の危機を脱した恭之助。しかしその裏には、一弥による完二郎襲撃という出来事があった。舞台本番、練習不足がたたり恭之助の演技はちぐはぐ。そんな様子に苛立った一弥は、幕間に恭之助と言い争いをしてしまう。一方、恭之助は、本音を見せない一弥の態度に寂しさを感じ…!?ついに、恭之助と一弥が本物のコンビになる第10巻!

ぴんとこな(11)

歌舞伎界の超大物である米駒屋・恵利左衛門の元で修業することになった恭之助。その素晴らしい女形の芸に魅せられて彼を慕うようになる。しかし、恵利左衛門は偉大な大先輩とは別の顔を持っていた。年々老いていく自分に比べ、若くて才能のある一弥を目の敵にする恵利左衛門。恵利左衛門の嫌がらせに一矢報いてやろうと取った一弥のある行動に恭之助は…!?恭之助・一弥コンビ、決裂!?二人に新たな岐路到来の第11巻!

ぴんとこな(12)

一弥と仲違いしたまま、恵太郎とコンビで舞台に立つことになった恭之助。二人の好演に、一弥は恭之助を遠く感じ、打ちのめされる。そして月日が流れ――、恭之助と一弥が疎遠になって一年ほど経った。ついに澤山家の王道である『琳史郎』の襲名を約束された一弥。喜びもつかの間、優奈の妊娠が発覚!自分に身に覚えのない一弥は…!?一弥の命運を握る最大のスキャンダル勃発!まばたき禁止の第12巻!!

ぴんとこな(13)

衝動的だからこそ、人は大それたことをしでかしてしまう。考え無しだからこそ、一線を越えてしまう。優奈を妊娠させた張本人・梢六が、実は恭之助の祖父・河村樹藤の落とし胤と知ってしまった一弥。梢六の祖母がいまわの際に遺した告白を、一弥は咄嗟に、隠蔽してしまう。この「隠蔽」が一弥をさらに追い込み、さらに越えてはいけない一線を…?一方、恭之助の父の病は進行し…?慟哭の第13巻!

ぴんとこな(14)

不安な時、ひとはどうして、何気ない出来事でも嫌な方向に深読みしてしまうのか? 優奈のおなかの子の父親が梢六であること。その梢六が、実は御曹司の血筋であること。一弥が必至で隠してきた事実を、ついに師匠が知ることに! 師匠の娘婿になる道を断たれたことは、歌舞伎役者・澤山一弥としての命を絶たれたにも等しい。絶望の淵で、一弥は恭之助にも見捨てられたと感じた一弥は、最悪の決断を…! 衝撃と感動の意第14巻!

ぴんとこな(15)

2人の前に現れた救世主はまさかの…! 優奈との破談で、未来が断たれたと思い込み自殺未遂までしてしまった一弥! だが、そんな一弥に師匠は、思いがけない未来を提示する。「俺と養子縁組して、息子になってくれ」「俺の跡継ぎは、お前しかいない」師匠の思いに涙する一弥は、期待に応えようと立ち上がるが、自殺未遂で奈落から転落したことで、歌舞伎役者・澤山一弥として最も大切なものを失って…? 一方、恭之助は、ひたひたと迫り来る恐怖におびえていた。父の病状が、隠しきれない程に悪化して来ていた。父の死も、木嶋屋の歴史も、受け止めきれない恭之助は…? そんな2人の前に現れた救世主はまさかの…! 老いとは衰えることではない。熟すこと。たゆまぬ努力に涙する第15巻!! 「私は信じてる あのコは必ず這い上がってくると」

ぴんとこな(16)

「客の前で、親父がどんなふうに俺を育てたか、見せてやる!!」父・世左衛門と演じるはずだった『連獅子』の舞台に一弥と立つことになった恭之助。回復を信じて稽古に励む恭之助に対し、世左衛門の病状が快方に向かっていると嘘をつき続けるあやめ。それは、心の弱い恭之助を動揺させないための優しさだった。ところが舞台当日、必ず来ると言っていた世左衛門が劇場に現れず、恭之助は…? ぴんとこな、それは男らしく、芯のある二枚目のこと。恭之助は舞台の上で、そんな男になることはできるのか…! 覚悟と決意に胸が熱くなる完結巻!!