あらすじ

誕生日を迎えて32歳になった真一(しんいち)と、もうひとつ年が離れてしまったことを気にする遥(はるか)。真一は家族同然の人物と縁を切ることを決心し、そんなときに遥の気持ちに触れ、彼女の前で涙をこぼす。そんな真一に遥は寄りそい、真一への想いは強まっていくのだった。一方、遥への想いが溢れた杉田(すぎた)は遥に告白をしたのだが……。
これは恋のはなし 1巻

「真一さんのことが好きなんだと思います…私」10歳の少女が好きになったのは31歳の小説家だった。――31歳の小説家・内海真一(うつみ・しんいち)はスランプ中。そんな彼の家に1匹の猫と10歳の少女・森本遥(もりもと・はるか)がやってくる。小説が書けなくなっていた真一に担当編集が提案したのは、遥をモデルにした恋愛小説だった……。少女は思った「そばにいたい」と。男は感じた「放っておけない」と。そう……これは恋のはなし。

これは恋のはなし 2巻

一度は突き放した遥(はるか)を自分から迎えにいった真一(しんいち)。そんな真一に遥はますます惹かれていくのだった。しかし、遥に対する真一の気持ちは同情でしかない……そう気がついたサトミは、遥が傷つく日がくると心配し、先回りして……。「放っておけない」は「好き」と似ていて、やっぱり「好き」ではないのだろうか……?31歳の男の同情が恋に変わる日を信じて10歳の少女は大人になりたがる……。

これは恋のはなし 3巻

「真一さんのことは私が守る」――31歳になっても男は大人になりきれずに悩み、10歳の少女は強い想いを胸に女へと成長する……。新学期を迎えて、ひとつ学年のあがった遥(はるか)は、新たなクラスメイト・曽野原詩子(そのはら・うたこ)に嫌がらせをうけるようになる。子ども同士のことには、口をはさまないと見守る真一(しんいち)。一方、杉田(すぎた)は遥を守りたくて空まわりし……。

これは恋のはなし 4巻

誕生日を迎えて32歳になった真一(しんいち)と、もうひとつ年が離れてしまったことを気にする遥(はるか)。真一は家族同然の人物と縁を切ることを決心し、そんなときに遥の気持ちに触れ、彼女の前で涙をこぼす。そんな真一に遥は寄りそい、真一への想いは強まっていくのだった。一方、遥への想いが溢れた杉田(すぎた)は遥に告白をしたのだが……。

これは恋のはなし 5巻

遥(はるか)の怪我の真相について、詰め寄る大垣(おおがき)。人前で遥の心の傷をえぐる大垣を真一(しんいち)は殴ってしまう。そうして、近づいたように見えた遥と真一だったが……。「おまえ」は全部、自分が悪いって言う……。「あなた」はいつも、何も悪くないって言う……。この感情の名前を、ふたりはまだ知らない……。真一、大垣、サトミの男子高時代を描いたスピンオフも同時収録!

これは恋のはなし 6巻

遥(はるか)・中学生編スタート!保護者として接することを決めた真一(しんいち)と遥の間には微妙な空気が流れていた。何もしなければ怪しい大人で、歩み寄れば俺らしくない?と戸惑いと憤りを隠せない真一。そんなとき、ふたりを襲う事件。真一が心の中で遥を呼ぶ瞬間、言葉にできなかった感情に名前がついたのだった。それは真一の本心ではあったが、恋の物語への大きな障壁でもあった。美しく成長する遥の横で、真一がもうひとつの本心に気がつくとき……物語は大きく動き出す。

これは恋のはなし 7巻

中学2年生になり、美しく成長した遥(はるか)。上級生との恋の噂も飛び出して、わけのわからない胸騒ぎを感じる真一(しんいち)。そんなとき真一につらい過去を思い出させる事件が……。その事件をきっかけに真一は胸騒ぎの答えを見つけるのだった。自分でも信じられない行動と感情に逃げ出してしまった真一はある決意をする。その決意により、真一と遥の物語は新しい局面を迎えるのだった。大垣(おおがき)結婚秘話に迫る番外編も収録。

これは恋のはなし 8巻

遥(はるか)に対する自分の想いに気づき、戸惑いを隠せない真一(しんいち)は遥を避け続けていた。そんな真一の気持ちをよそに着実に成長し、大人になってゆく遥。そして、ある夏の海辺の小さな嫉妬から始まった誤解が、ふたりの関係を大きくこじらせてゆく……。どうして「俺」はこんなふうにしかできないのか。どうして「私」は素直になれないのか……。「恋」ってなんてめんどくさいんだろう。

これは恋のはなし 9巻

ようやく互いの気持ちを確認した真一(しんいち)と遥(はるか)。ふたりの間に流れる空気に変化を感じた杉田(すぎた)は遥に再び告白するが……。そんな杉田の想いを知る詩子(うたこ)は複雑な気持ちを抱えていた――。「なんでやめられないんだろう?」一途に相手を想い続けても、「叶う恋」と「叶わぬ恋」があることを少年少女は知る。「なにも変わらない恋」なんてありえない。

これは恋のはなし 10巻

3年ぶりに現れた杉田(すぎた)は、真一(しんいち)と遥(はるか)の何も変わらないままの関係に疑問を呈する。真一との進展を望む遥は、進まない関係に対して苦しさを抱えてゆく。そんな時、「遠くへ行こう」と杉田が差し出した手を遥は取ってしまい……。成就することのない「両想い」と進むことのできる「片想い」、どちらのほうがいいのだろうか?詩子(うたこ)の切ない番外編も同時収録。

これは恋のはなし 11巻

入院していた母親の突然の帰宅に戸惑いを隠せない遥(はるか)。その母親が取り乱したとき、遥を守ろうと必死になるけれど、どうにもできない杉田(すぎた)。そして、駆け付けた真一(しんいち)は初めて遥に対する本当の想いを語りだす。恋と呼ぶには幼かった感情と恋とは呼べない同情の気持ちから寄り添ったふたりがたどり着いた結末とは……。そう……これは恋のはなし。ついに完結!!!