中高大一貫の名門女子校、清蘭学園を舞台に様々な少女たちの物語が描かれるオムニバスストーリー。 中心となるのは成績学年1位、品行方正の優等生、白峰あやかと、高校から編入してきて白峰さんから成績1位の座を掻っ攫った、奔放なのに一匹狼な振る舞いの黒沢ゆりねの物語。2人は対立しながらも徐々に関係性を深めてゆくという王道の物語が展開されます。 しかしながらこの作品の特徴は、メインの2人の物語と平行して、2人の周りの様々な登場人物の恋愛模様が描かれる点。2巻以降の各巻で異なるキャラにフォーカスが当たる構成ですが、登場人物ごとに関係性の深さ、濃淡が様々で、仲の良い友人関係のような組み合わせからお互いががっつり恋愛対象として見ている2人まで、まさに「少女たちの数だけ、物語は存在する」というキャッチコピーに相応しい、たくさんの表情を見せてくれる作品です。 そして最終巻では白峰さんが黒沢さんとの関係性に対して結論を出します。その過程でこれまでに登場したキャラが再登場し、黒沢さんとの関係性に悩む白峰さんに助言を与えていきます。再登場したキャラにしっかり焦点をあてつつ、最後に白峰さんと黒峰さんの物語に収束していくという見事な構成で、まさに万感胸に迫る最終巻。 各巻単体で読んでも、作品全体を通して読んでも素晴らしい、百合マンガの金字塔といえる作品だと思います。 全10巻読了
sogor25
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