あらすじ武士神(ぶしがみ)に切り捨てられたシュライクは、ジエンドが消えない限り自分も消えないと言い残して蒸発する。一方、ヤクザを恐喝したラフ・J・ダイアモンドを咎めていた明超次(あかり・ちょうじ)は、凄腕のクライムハンター・アルクベインと正義の死者・ネクロマンに囲まれる。そしてラフを捕獲しようとするアルクベインが、ラフの傷口を拡げたことに腹を立てた超次は、ネクロマン&アルクベインと対決を……!?
今も昔もヒーローものは子供向け、ではありますが、設定を時代背景に合わせてアレンジすれば、こんなにもエッジの効いた作品になります。仲間である能力者の犯罪を防ぎながらも、能力者ゆえ人間からは迫害されるという、哀しきヒーロー、ジエンド。その容姿はヒーローらしからぬ異形で世界を滅ぼす力を秘めた存在。性格も破天荒で、正義の能力者と対峙するシーンでは「正義の味方も縦社会かよ。あんま笑わすなコラ」と毒舌を吐く無頼っぷり。昔のヒーローでは考えられない言動に新鮮さを感じます。と書きながらも一方では懐かしさもあって、それは著者が私と同世代なせいかも? 子供のころに見ていた特撮番組へのオマージュ表現が多々あり、4巻の冒頭のシーンなんて、まんまあの悪の首領じゃん、とニヤリ。特撮LOVEもビンビンに伝わってきますね。またこの作品は、世界観を同じくする他作品の主人公が登場するというのもウリのひとつ。その中でも私のイチ押しはツイッターでも話題になっていた『ネクロマン』。「正義の死者」ってなんなのよ。