あらすじ「もうあたし、人の死ぬのを見たくない」別れの時、キャンディが残した悲痛な叫び。だが、少女の祈りもむなしく今日もまた誰かが死んでいく。銃のみが唯一の掟の中で、少年達は進む。懐しの東京まで、あと90キロ!!
久々に読み返して、この作品の時代の空気を少し思い出しました。 東西冷戦の真っ只中、日本はバブルで好景気でしたが、「核兵器」への恐怖は潜在的に感じられていました(それを明らかな形で作品にしたのは「沈黙の艦隊」だと思います)。 この作品は、突然未来へタイムリープをした少年達が、荒廃した日本で故郷・東京を目指すという物語です。 リアルタイムで読んでいない方には恐らく今一つピンとこない部分もあると思いますが、80年代らしい作品だと、懐かしさとともに感じました。 原作の工藤かずやさんは浦沢直樹さんとの「パイナップル・アーミー」が最も有名なタイトルだと思いますが、北崎拓さんというラブストーリーの名手と組んで、こんなハードな作品を描いていたということも、意外性とともに記憶に残っています。