あらすじ

“崖っぷちの風船大好きっこ”ゲーム決着!! そして黒幕との最終決戦へ!! 感動の最終巻!!
少年Y 1巻
中学2年生・栗原ユズルが転校先の教室で迎えた圧倒的絶望とは…!?手にしてしまった神の権能。今、少年に迫られる究極の選択!!「命のランク付け」に焦点を当てた前代未聞のパニック・サスペンス!!
少年Y 2巻
信頼していた匡からの衝撃発言にユズルの決意が揺らぐ。そして再び迫り来る、あまりに過酷な“命の選択”…!!
少年Y(3)
元クラスメート・杉原が、匡に仕掛けた“神の遊戯”。真実のカケラを掴むため、命を賭けたゲームが始まる…!!
少年Y(4)
ユズルと匡に襲いかかる、デスゲームの数々!!このイカレた世界の元凶“黒幕”の片鱗が…!?
少年Y(5)
新手のグッズ所有者と対峙するユズルと匡!!“謎”の深化と共に、デスゲームは猟奇を増す!!
少年Y(6)
長谷川とのデスゲームで重傷を負った匡。だが、その痛みは“痛覚逆転”機能によってユズルが受ける。ユズルの忍耐は限界だ。勝敗の行方は…!?
少年Y(7)
ヌガーとハッカが命を賭して戦う、角獣激突(コーンストライク)ゲーム開戦!! 壮大なる戦いの結末は…!? 神様VS中学生デスゲーム!!
少年Y(8)
“崖っぷちの風船大好きっこ”ゲーム決着!! そして黒幕との最終決戦へ!! 感動の最終巻!!
武闘占術伝 ヒイロとナナシ

武闘占術伝 ヒイロとナナシ

西暦七XX年、タムラサカウエ将軍の屋敷が怪しい剣を操る男の一味に襲われた。猛火の中、たった一人生き延びた少年チハヤは、それから5年後、ヒイロに名前を変え、父から伝承された奥義を磨き、仇討ちを誓うのだが……!?父より託された幻の秘拳!!森羅万象を取り込む占術!!二人の少年の力が合わさる時、新たな伝説が始まる!!絆が紡ぐ格闘アドベンチャー!!
少年Y
第三者による生命の選択
少年Y とうじたつや ハジメ
名無し
映画の『CUBE』を見たのはもう10年以上前だと気づいて、ウワーという気持ちになっております。当時衝撃を受けた『CUBE』は、ソリッド・シチュエーション・スリラーというジャンルに区分されるらしいのですが、なにがなんやらよくわかりません。デスゲームものといったほうがわかりやすいですね。考えてみれば、マンガにもこのデスゲームものは結構古くからあるような気がします。私が遡れるのは『銀と金』(福本伸行 1992年連載開始)くらいですが、デスゲームマンガの起源はどこにあるのでしょうか。  なんとなくですが、ここ数年、デスゲームが粗製乱造されているように感じています。私も、読み始めはテンション高いのですが、段々どうでもよくなっていってしまうのです。  それは、登場人物が、賭けられた命のことよりも、ゲームのことばかりに注目してしまっているからです。命を賭したゲームですから、登場人物も必死に考えてはいるのですが、何か真剣味が足りないような…。そんな気持ちを払拭したのが『少年Y』です。  転校生であるユズルが初めてクラスに入ると、そこにいるはずの全ての人が死んでいる…そんな衝撃的な展開から物語は始まります。そしてユズルの前に謎の少女ワビコが現れ、彼に「5分以内に生き返らせるべき価値のある人間をひとり選べ」と迫ります。出会ってさえいない人々の中から彼はどうやってその一人を選ぶのでしょうか。  『少年Y』ではこのような、第三者による生命の選択の場面が描かれます。「自分の中で無関係な人々の中から助かる一人をどうやって選べばいいのか?」「人から聞いた情報で人を断罪してしまっていいのか」「特別な一人のために他を犠牲にしてもよいのか?」これらがふざけたゲームの中で描かれているというのがとても効果的だと思います。例えば雪山の極限状況で2人から1人を選ぶ行為はそれがどのような選択でも、ある程度の“しょうがなさ”があるとおもいます。しかし『少年Y』は“しょうがなさ”を許しません。ユズルその選択に正解はもちろんないし、前後で矛盾もある。当然開き直りもします。しかし、ユズルがすがろうとする、考えは揺さぶられつづけるのです。そんなユズルが最後に得るものはなにか…ものすごい物語が生まれようとしているのかもしれません。