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米俵雨実・25歳はつらいことがあると涙を止められない。カフェを開くという夢をもって働いていた店では心無い言葉をぶつけられた挙げ句クビになってしまい、やはり涙が止まらない。泣きながら訪れたデパ地下のメニューに束の間の安らぎを覚えるものの、現実は仕事もない、スキルもない絶望的な状態。すがる思いで尋ねた派遣会社では、前職の退職理由を聞かれる。雨実からの話を聞いた担当・穂積はその店舗への怒りを口にする。
派遣会社の紹介で夢のような職場・鰆百貨店の地下にあるスイーツ店『団栗の帽子』で働くことになった雨実。キラキラした店舗に心踊るが、新しい職場、新しい人間関係に前職の記憶がよみがえり怯えてしまう。しかし、見様見真似ではじめた雨実のつたない呼び込みを店長の梨田は褒めてくれる。
鰆百貨店のデパチカ『団栗の帽子』で働き始めた雨実だが、なかなか仕事に慣れない。デパートの中では迷子になり、レジ打ちもままならない。早く役に立ちたいと思っている心とは裏腹にミスを繰り返し、同僚からの目が気になってしまう…。
子どもの頃から泣き虫だった雨実。当時、祖母から聞いた話では、人間の体は海から生まれてきたから、太古の海と涙の濃度は一緒らしい。涙を流したときは水分と塩分でエネルギー補給！と力を入れ、今日も鰆百貨店に向かうが…。
職場で泣かないと決めたのに、キャパオーバーで涙を流してしまう雨実。そんな彼女に同僚からの態度もそっけない。ちょうどその時、派遣会社の穂積が団栗の帽子に訪ねてくる。
店頭で2人きりになった雨実と飴屋さんは気まずい空気の中にいた。飴屋が嫌がるから見ないようにとしつつも気になって見てしまう雨実。そしてその視線に気づいてイライラする飴屋。2人の感情はそれぞれあらぬ方向に暴走していく。
思い切って労働基準監督署のドアを叩いた雨実。前職『そよぐ風』での扱いを話すと、担当者の粟さんは親身になって聞いてくれ、対応策も考えてくれた。雨実が進む次の一歩は…!?
雨実は労基にいわれた通り、前職『そよぐ風』に未払の給与を請求することを決める。しかし、『そよぐ風』から受けた仕打ちはこれだけではない。パワハラについても、あっせんするべきか検討しはじめる。
前職「そよぐ風」のバイト時代を思い返していた雨実。当時バイトの同僚だった大盛さんはバイトの最年長で、みんなの声を代弁してくれていた。しかし、彼女が辞めてから雨実がバイト内で最年長になり、大盛さんの立場に立たされる。そこで気づいたことは…。
ハラスメントを受けた前職・そよぐ風の顧問と対面した雨実。しかし、顧問もまた、雨実の立場をバカにした発言を繰り返し、話し合いは決裂してしまう。失意のなか、再び労基に向かう雨実だった。
夢でおばあちゃんの「海のエネルギーみっちみちスープ」を食べた雨実。海は命の源、エネルギーいっぱいのみちみちな料理を人に食べさせたいと思った雨実はもう泣かないと決めた。一方、派遣会社の穂積も、派遣会社ならではの苦悩を抱えながら雨実に思いを馳せていた…。
カフェの夢を諦めた雨実。でもデパチカの仕事もだいぶ覚え、馴染んできて元気いっぱい！ そんな時、デパートのデキる女オーラ全開・麦野さんとご近所であることが発覚。デパチカのロスを持って雨実の家でご飯を食べることに。
鰆百貨店の社員・苫都さんはお客や店舗とのやり取りで毎日てんてこ舞い。外では毅然と対応する苫都さんだが、実は裏の顔が!? 雨実はある日、バックヤードで彼の秘密を知ってしまう！
麦野さん、飴屋さんを誘って雨実の家で久しぶりのご近所会をすることに。雨実は自作のマフィンでおもてなしすることにするが、作っているうちにおばあちゃんとの思い出が蘇り、またしても涙腺が刺激されてしまう。
労基に行った雨実のその後が気になる同僚の尾餅さんたち。精一杯戦った雨実の対応に「甘い」と口々に言うが、雨実はへこたれない。そんなとき、「団栗の帽子」のクッキーが美味しかったという客が現れる。どうやら彼には事情があるようで…。
