あらすじ

入れ替わりの秘密を知り、義経(よしつね)抹殺に向けて動き出した頼朝(よりとも)。郎党達は身を呈して義経を守ると覚悟を決め、それぞれの思いを胸に、前線へと躍り出てゆく……。果たして彼らの戦いの行方は? そして漂太(ひょうた)の運命はどこへ行き着くのか――? 驚きの“義経伝説”、14年の歴史に幕!!
遮那王 義経 源平の合戦 1巻

穏やかな月日が流れ、漂太(ひょうた)の奥州下向から6年が経った治承4年(1180年)。平氏の横暴に不満を持った源氏が日本各地で動き始めていた――。そんなある日、奥州平泉に1人の密使が訪れる。それが逞しく成長した若武者・漂太(義経)の新たな運命の幕開けだった!源義経、今こそ歴史の表舞台へ――!!笹竜胆の旗の下、流浪の少年・漂太が牛若の遺志を継ぎ、戦場の神となる!!待望の「源平の合戦編」開幕!!

遮那王 義経 源平の合戦 2巻

本物の牛若の兄・源頼朝、死す――!?源平石橋の合戦で頼朝殿はおそらく……と、恩人・藤原秀衡(ひでひら)に告げられ、悲しみと絶望に打ちひしがれる漂太(義経)。その前に、奥州へ偵察に訪れた白面の美青年・平教経(よりつね)が現れた。「平家に一矢でも報いる!」と、一騎打ちを申し込む漂太。だが、教経は平家一の武芸者とうたわれる強敵だった。陽の漂太、陰の教経。源平の威信をかけた弓矢対決が始まる!!

遮那王 義経 源平の合戦 3巻

奥州偵察に来た平家の麒麟児・平教経(のりつね)を相手に、源平の威信をかけた弓矢対決で辛くも勝利した漂太(義経)。屈辱に燃える教経は、戦場での再勝負を誓い、同時に驚愕の事実を告げる。頼朝は生きている──!?本物の牛若の兄・頼朝が坂東で兵を集めていると知った漂太は、たとえ負け戦でも共に戦いたいと、恩人・藤原秀衡(ひでひら)に奥州を出たいと伝える。が、秀衡は、なんと漂太を捕らえよと命じ……!?

遮那王 義経 源平の合戦(4)

今は亡き親友・牛若丸との約束を果たす為、奥州平泉に別れを告げる漂太(義経)達。そこに武蔵坊弁慶と伊勢三郎能盛という元からの家臣の他に、佐藤継信・忠信兄弟という一騎当千の家臣が加わった!平家討伐の旗を揚げた、本物の牛若の兄・源頼朝との合流を目指し、一行は坂東の地に入る。だが、そこで待ち受けていたものは……!?牛若の魂を継ぐ者として、漂太が長年抱き続けた「平家打倒」の夢が、ついに動き出す――!!

遮那王 義経 源平の合戦(5)

本物の牛若の兄・源頼朝と源氏再興を誓って6年――。漂太(義経)は奥州平泉に別れを告げ、坂東で兵を集める頼朝の元に向かう。道中、平氏軍に追われる源氏方・梶原景季(かげすえ)の窮地を救い、その父・景時(かげとき)に、頼朝との対面の約束を取り付ける。しかし、富士川を挟んだ平氏軍の夜襲に漂太は……?富士川の合戦!ついに頼朝との再会、成るか!?――そして、幼い頃の「漂太」を知る旧友・金太が現れて……?

遮那王 義経 源平の合戦(6)

ついに再開を果たした宿命の兄弟たちを中心に、源氏一党の悲願・平家打倒の足固めは着々と調いつつあった。漂太(義経)たちは、頼朝と共に鎌倉に入る。三方を山で囲まれ、一方は海という要害の土地に、頼朝は、八幡宮、侍所、武家屋敷などを造り、一つの大きな“城”を成そうとしていた。一方、上野(こうずけ)へと足を伸ばし、旅行を楽しむ漂太の周りから、仲間達が次々に消えてゆく!漂太に迫る謎の影、その正体とは!?

遮那王 義経 源平の合戦(7)

源氏嫡流の血筋を仇と見なし、同じ「打倒平氏」を目指しながらも頼朝と敵対する木曽義仲。従兄弟にあたる漂太(義経)の仲間を次々とさらった義仲の真意はどこにあるのか?一方、打倒平氏の準備が進む中、鎌倉に急報が走った。巨星、斃(たお)れる──!?宿敵・平氏の棟梁である平清盛卒倒の知らせに、兄・頼朝は清盛の病状を探れと漂太に告げる。幼き頃を過ごした地・京へ向かった漂太を待つのは……!?

遮那王 義経 源平の合戦(8)

幼馴染み「りん」との再会、そして死の床にある宿敵・清盛との凄絶な邂逅……!!京一番の白拍子と評判の「静御前」。それは、漂太(義経)と同じ軒下一座にいた幼馴染みの「りん」の成長した姿だった。久しぶりの再会を喜ぶ二人――。しかし、権力者・平清盛が病に倒れ、京の空気は張りつめていた。そんな中、清盛が屋敷の外に出るという情報を得た漂太。源氏の寵児・漂太と平氏棟梁・清盛が、京の空の下で遂に再会する──!

遮那王 義経 源平の合戦(9)

清盛、死す。混迷する平氏と源氏、世は争乱の時代へ――。単身で忍び込んだ漂太(義経)に、死の間際の清盛が遺した「民を見て、民の為に動け!」という言葉。その真意とは……!?一方、今こそ平家討伐の時と意気込む頼朝・義仲の両陣営。それぞれの思惑を胸に、ついに兵達が動き出す。一方、京を出ようとした漂太は、平家に見つかってしまう。逃げ場を失った漂太の前に現れたのは、何と清盛の娘・徳子の牛車だった――!?

遮那王 義経 源平の合戦(10)

鎌倉への道中、戦災孤児のひかり達親子と出会う漂太(義経)一行。飢饉が引き起こす略奪の横行から親子を守る為、漂太はひかり達を知り合いのいる尾張まで連れて行く事にする。しかし、その尾張の地では、新たな戦の狼煙が上がろうとしていた――。平穏な村から一転、戦火に包まれたひかり達を前に漂太は衝撃を受ける。戦火の痕が漂太に示した“戦の真実”。天命を知った若武者・漂太が猛る。なんとかして戦を止めないと──!?

遮那王 義経 源平の合戦(11)

起きた戦は止められない。ならば……。民の犠牲を見過ごせない漂太(義経)の才覚に目を向けた、頼朝軍随一の実力者・上総介広常は、漂太に何を語る?そして源氏第三の男、剛勇をうたわれる源義仲、立つ!越後の平家方との戦いを、圧倒的不利を覆して撃破した義仲の勇名は北陸道諸国に轟き渡る。危惧した頼朝は、同族・義仲を討伐せんと動き始める。漂太は源氏同士の争いを止める為、自ら使者となって義仲の下に向かうが!?

遮那王 義経 源平の合戦(12)

頼朝対義仲、同じ源氏同士が一触即発の状況下で、争いを収めるため使者となり敵の本陣へ入った漂太(義経)。だが、説得には失敗し、計らずも総大将・義仲の嫡男をさらい出してしまう。義仲の逆鱗に触れ、緊迫する両軍。合戦は避けられないのか――!?そして、頼朝から漂太に、まさかの“結婚命令”が下る!突然の厳命に戸惑う漂太は!?静御前(りん)とかすみ、戦乱の世に咲く花二輪と時代の寵児。その恋の行方は……。

遮那王 義経 源平の合戦(13)

頼朝の厳命に従い、漂太(義経)が妻を娶り、鎌倉にはひと時の平和が訪れた。――だがその一方、倶利伽羅(くりから)峠では、源義仲と平家十万の兵達が相対していた……!平家軍の総大将は平維盛(これもり)。富士川の合戦での不始末以来、軽んじられてきた汚名挽回と、義仲の首を狙い、十万の軍勢を連ね北陸道を攻め上がる。歴史を揺るがす大軍(おおいくさ)が始まる──!!いよいよ源平の運命が大きく動く!!

遮那王 義経 源平の合戦(14)

栄華を極めた平家一門が、義仲の攻めを恐れ、都を捨て西国へ逃げてゆく!歴史の流れは大きく変わりつつあった。一方、源氏同族の争いを避ける為、義仲の上洛を止めようと比叡山に入った漂太(義経)。しかし、時既に遅く、義仲は強力な後ろ盾となる後白河法皇を手中にしていた……。上洛を果たした義仲が、更なる野望を燃やす陰で、無頼の徒と化した木曽兵が京の民を苦しめる。そんな時、謎の獅子面が現れ木曽兵を蹴散らす!?

遮那王 義経 源平の合戦(15)

都落ちした平家が逆襲を開始した!西国で力を盛り返し、都を目指し攻め上がる平家軍――。御所に立て籠もる法王は、義仲に平家追討の命を下す。瀬戸・水島で義仲を迎え撃つのは、平知盛・教経の大船団。船戦(ふないくさ)の行方は……!?そして義仲は、京で法皇を脅して頼朝追討令を出させる。そんな義仲に対し、頼朝は立ち上がる決意を固めた。搦(から)め手総大将として、漂太(義経)の戦が、今、始まる!!

遮那王 義経 源平の合戦(16)

後白河法皇を脅し、「征夷大将軍」と「頼朝追討令」を手に入れた義仲に対し、頼朝が立ち上がった!搦(から)め手の総大将は漂太(義経)――。緒戦“宇治川の戦い”では、民の家々を焼いて煙幕を張り、一気に川を渡って攻め込んだ義経の奇策により、木曾軍は蹴散らされた。そして、六条河原での合戦の中、“一騎打ちの名乗り”を挙げる義仲に対し、漂太はこれを受けて立つ!いざ尋常に勝負……!!

遮那王 義経 源平の合戦(17)

義仲、討たれる──。漂太(義経)は搦(から)め手の総大将として木曾軍を蹴散らし、“宇治川の戦い”に勝利を収めた。だが、源氏同士の合戦の間に平家が息を吹き返す!再び搦(から)め手の総大将となった漂太は、京へ戻り、本物の牛若の実家を訪れる。牛若の魂を継ぐ者として、いよいよその悲願・平家討伐を果たす時が来たと告げに……!「智の者峨山直平」を加えた最強の郎党を従え、漂太、いざ源平決戦の地へ……!!

遮那王 義経 源平の合戦(18)

源平の命運が懸かる一大決戦を明朝に控え、険しい山で迷った漂太(義経)一行。山中の民家で、ワッシー(鷲尾三郎)という道案内を得るも、その道は危険に満ちた断崖の小道。漂太たちは間に合うのか……!?歴史上、世に名高い源平合戦の「一の谷の戦い」が、今、始まろうとしていた!平家城郭・一の谷城を見下ろす絶崖の上に辿り着き、源氏不利の戦況を見てとった漂太は、目の前の断崖絶壁を馬で駆け降りると宣言する!?

遮那王 義経 源平の合戦(19)

自らの命を顧みず、断崖絶壁を騎馬で駆け降りた漂太(義経)達!この一の谷城急襲で、平家軍優勢の戦況は一変、源氏軍の優勢は決定的なものになる。搦(から)め手・塩屋は陥落、平忠度は討たれ、清盛の五男・平重衡を生け捕りにされ、平家軍は逃亡を始める。勢いに乗る漂太たちは、福原の地で平家の知将・平知盛を追い詰める……!歴史に名高き“一の谷合戦”ここに決着!!一方、頼朝と漂太の兄弟間の絆には暗雲が……?

遮那王 義経 源平の合戦(20)

頼朝と漂太(義経)の兄弟間の絆に綻び、そして暗雲が!?京の都に戻った漂太の元に不穏な噂が届く。北条時政の進言で、源義仲の遺児・義高が頼朝の命により殺されるという。生前の義仲に義高を託された義経は、義高の鎌倉脱出を画策する。漂太の命を受け、鎌倉へやって来たかすみは、先に潜り込んでいた巴御前とともに義高を救うと誓うのだが……!?鎌倉で、そして京で、頼朝と漂太を反目させようとする思惑がうごめく!

遮那王 義経 源平の合戦(21)

後白河(ごしらかわ)法皇から検非違使の位を受けたことが頼朝(よりとも)の勘気を被り、義経(よしつね)は平家追討軍から外されてしまった。だが範頼(のりより)軍の大苦戦を受け、ついに出陣の刻(とき)が来た……!戦場に赴く者とそれを見送る者、それぞれの想いを胸に秘めながら、最後の戦い“屋島合戦”が始まる!!

遮那王 義経 源平の合戦(22)

いざ屋島合戦へ――!平家討伐のため、嵐の海へ出航した義経(よしつね)軍は四国・阿波の勝浦へ上陸した。百八十騎の義経軍に対し、平家軍は千騎の軍勢!正攻法では敗北必至のなか、義経のとった策とは……!?一方、義経のことを執拗に狙う平家一の武芸者・平教経(たいらの・のりつね)は義経軍の襲撃を察知し、単独で動き始める!!

遮那王 義経 源平の合戦(23)

源氏の優勢で進む屋島合戦であったが、平家の誇る怪力・悪七兵衛景清(あくしちびょうえ・かげきよ)の登場により、攻め手を失った。その景清に対して弁慶(べんけい)ががっぷり四つの力勝負を挑む。弁慶vs.景清、勝負の行方は……!?さらに、義経(よしつね)打倒に執念を燃やす平教経(たいらの・のりつね)は策をめぐらせ、ついに義経をおびき出すことに成功する――!!

遮那王 義経 源平の合戦(24)

“仁の者”佐藤継信(さとう・つぐのぶ)を失い、悲しみにくれる義経(よしつね)軍の元に平家方の田口教能(たぐち・のりよし)軍三千騎が屋島に戻るとの急報が届いた!その合流を許してしまえば義経軍の全滅は必至。屋島合戦最大の正念場で“勇の者”伊勢三郎能盛(いせさぶろう・よしもり)が田口の説得へ向かう。気性の荒い田口を相手に能盛の秘策は通じるのか……!?「屋島の戦い」ここに決着!!

遮那王 義経 源平の合戦(25)

源平の雌雄を決する、壇の浦の戦いがついに開戦の刻を迎えた!陸戦では常勝無敗の義経(よしつね)だが、迎え撃つ相手は“海戦上手”と名高い平家の名将・平知盛(たいらの・とももり)であった。知盛が引いた布陣は、両端を広げ源氏を取り囲むような“鶴翼の陣”。それに対し義経は“魚鱗の陣”で中央突破を目論むが……!?戦いの主導権はどちらへ――!?

遮那王 義経 源平の合戦(26)

最強にして最大の敵(ライバル)平教経(たいらの・のりつね)×源義経(みなもとの・よしつね)一騎討ち!!!絶体絶命の状況から、水夫を狙うという大奇策で盛り返した義経。そして待ちに待った潮の変わり目が!!源氏全軍突撃。帝と神器を押さえるため大将自ら平家軍ど真ん中へ乗り込んだ義経を待つのは、終生のライバル平教経。“壇の浦の戦い”いよいよクライマックスへ!!

遮那王 義経 源平の合戦(27)

平教経(たいらの・のりつね)は自害、幼き帝も海へ身を投げ“壇の浦の戦い”は源氏方の勝利で終結となった。源氏による新時代の幕開けとなる中、漂太(ひょうた)と幼馴染みの牛若(うしわか)との入れ替わりが頼朝(よりとも)に露見してしまった!!自らの運命が暗転し始めていることを知らない義経(よしつね)は……!?

遮那王 義経 源平の合戦(28)

悲願の平家打倒を成し遂げた義経(よしつね)。だが、その正体が旅芸人の漂太(ひょうた)であるという真実を知った頼朝(よりとも)は、義経抹殺に向け動き出す!厳しい状況の中、静(しずか)と義経に訪れた運命の一夜、そして大切な仲間との別れ――。歴史の荒波が義経を襲う!!

遮那王 義経 源平の合戦(29)

入れ替わりの秘密を知り、義経(よしつね)抹殺に向けて動き出した頼朝(よりとも)。郎党達は身を呈して義経を守ると覚悟を決め、それぞれの思いを胸に、前線へと躍り出てゆく……。果たして彼らの戦いの行方は? そして漂太(ひょうた)の運命はどこへ行き着くのか――? 驚きの“義経伝説”、14年の歴史に幕!!