あらすじ

屍鬼の脅威に晒された外場村。非日常と化した現実から目を背ける村人に対し、医師・尾崎は一人それに抗う術を模索する。そこへある男が手を差し延べ、孤独に苛まれていた尾崎は歓喜に震える。その男の名は――。
屍鬼(1)

199X年猛暑の夏、山に囲まれた人口わずか1300人の外場村で、原因不明の3名の死体が発見された。同時期、古い洋館に越して来た桐敷一家と接触した女子高生・清水恵が行方不明に。相次ぐ怪事件…凄烈なる夏が始まる!

屍鬼(2)

わずか一月で12名の村人が死亡…医師・尾崎敏夫と寺の跡とり・室井静信は伝染病を疑う事に。一方、死亡した清水恵が想いを寄せていた結城夏野は、時折、死んだはずの彼女の視線を感じ、眠れぬ日々を過ごしていた…。

屍鬼(3)

「気付く者」二人…。医師・尾崎敏夫は結城夏野との接触により、一連の失踪・死亡事件は、疫病ではないと確信を持つ。一方、夏野は清水恵の「死」に疑問を抱き、彼女の墓を暴く!そこに待ち受ける衝撃の真実とは…。

屍鬼(4)

安森節子の病室の外に居たのは、死んだはずの安森奈緒だった!起き上がる者に対し、警戒を強める尾崎と室井。しかし、突然の停電を合図に、病院は惨劇に染まる!戦慄の接触はさらに結城夏野の元へと移る……。

屍鬼(5)

「起き上がり」の存在を、皆にどう説明するか苦悩する尾崎敏夫だが、理解者であった室井静信と意見の相違により、袂を分かつことに…。一方、武藤徹に襲われた結城夏野は、田中姉弟を村から脱出させようとするのだが…。

屍鬼(6)

夏野の願い儚く…。親友・徹の襲撃により、夏野の命は尽きようとしていた…。一方、「屍鬼」への対抗策を模索する医師・尾崎は妻の容態悪化に伴い、実験体として観察し、反撃の糸口を探ろうと決意する……。

屍鬼(7)

屍鬼の脅威に晒された外場村。非日常と化した現実から目を背ける村人に対し、医師・尾崎は一人それに抗う術を模索する。そこへある男が手を差し延べ、孤独に苛まれていた尾崎は歓喜に震える。その男の名は――。

屍鬼(8)

いつまで「その時」を待てばいいのか…。外場村で確実に勢力を拡大し、包囲網を狭めていく屍鬼に尾崎は苛立ちと焦りを隠せない。そしてついに桐敷千鶴が医院に現れた時、尾崎は予め準備しておいたある罠を仕掛けるが…。

屍鬼(9)

室井静信は自ら桐敷の屋敷を訪問し、沙子の手の中に堕ちた…。一方、尾崎敏夫は桐敷千鶴と共に霜月神楽に参加し、ある計画を実行に移そうとしていた!!神楽の音にのせ、凄惨且つ壮絶な『屍鬼狩り』が始まる――。

屍鬼(10)

11月6日、惨劇の夜が明ける――。医者・尾崎を筆頭に、『屍鬼』を狩る人間達。もはやその光景は、狩る者と狩られる者との常識が反転する、おぞましき惨状…。命なき肉塊の叫びが外場村に響き渡り、佳境が近付く…。

屍鬼(11)

199X年猛暑の夏から始まった凄惨な事件…。外場村で起こった人と屍鬼による争いは、遂に終わりの時を告げようとしていた。『生』と『死』に囚われ続けた両者に、果たして安住の地はあるのか…。今、その答えが出る……。

屍鬼

じわじわと迫りくる恐怖。思い出せ、伏線を。

屍鬼 小野不由美 藤崎竜
ゆゆゆ
ゆゆゆ

ほっぺたのZは、いったいなんの印なんだ!? 原作にない伏線か?! と混乱しながら読んでいたのだけど、コミカライズを「封神演義」の藤崎竜先生がしていたと知って理解。 あのZマークは、かわいいほっぺたマークだったのか…と少し気が抜けてしまった。 小野不由美先生の「屍鬼」をコミカライズした本作。 言葉を重ね、少しずつ 少しずつ、あちらこちらの状況や心理描写など、精巧に描かれる先生の作品。 作品自体はコミカライズのほうが少し軽いノリで、小説版はじわじわと迫りくる重々しいかんじ。 どちらかというと重々しすぎて、劇画調で描かれても違和感がなかったかもしれない。 「屍鬼」は、登場人物がやたら多く、さらに個性的な面々も多く、漫画だとどうなってしまうんだろうと思っていたら、個性的なキャラクターイラストでたくさんの人物が描かれていてびっくり。 静心が想像していたより若々しい雰囲気で、冴子はイメージ通りだった。 冴子の両親初登場時は、「これが見たかった!!」と心のなかでガッツポーズ。 既に小説の方を読んでいるので、フンフンフーンと軽い気持ちで読めたのだけど、初見だったら無料で読めた14話の後が気になって仕方なかったと思う。