あらすじ直進は国際宇宙ステーションに搭乗する宇宙飛行士の試験を受けるため、5年ぶりに日本へ帰ってきた。そこで直進は一緒に試験を受ける空知と子供の頃遊んだ公園を訪ねたり、昔なじみの人達に会いに行ったりして旧交をあたためる。
子供のころ、宇宙に憧れる時期ってあると思います。この作品は、そんな少年の日の想いを存分に満足させてくれるでしょう。宇宙飛行士を目指す少年の真上直進が、宇宙に飛び出すまでの成長物語です。専門的な話になりがちなテーマですが、作者の石渡治は漫画として感情移入させるツボをホントに心得ていて、その成長過程において、心にグッとくるエピソードが満載。例えば直進が初めてロケットに興味を持つくだりでは、部品工場の職人がエンジン製造に関わっていたというネタを引っ張ってきたり、同じ想いを宇宙に寄せた子供たちが大人になってもそれぞれの分野で直進の夢に関わったり。ハラハラドキドキそしてじらされカタルシス…と物語の展開とそれに伴う人物の動かし方が絶妙。今やどうにもならない身になった自分ですが、思わず夜空を見上げて感慨にふけりたくなります。死ぬまでに火星への有人飛行を見てみたくなりました。