あらすじ

新聞記者の吉田が見つけてきたキャディ・ブルンをパートナーに、アジアンマッチプレー選手権に出場中のダンドー。しかし、ブルンが全くゴルフを知らない素人と分かり、ダンドーは韓国のトッププレイヤー・朴銅烈(パクドンヨル)に序盤から3ホールを連取されてしまう。だが4番ホールで、先に打ったパクのボールが微妙に揺れたのを見て、ダンドーは上空にワナが隠されていると気付き…。
DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 1巻

ひょんなことからゴルフの魅力にとりつかれた小学生“ダンドー”が、優香、弘平と3人でデッカイ夢へと突き進む!小学生離れした運動能力を持つ熊本の野球少年・青葉弾道は、仲良しのチームメイト・優香や弘平と共に野球漬けの毎日を過ごしていた。だがある日、ゴルフ好きの校長先生から「プロゴルファーの優勝賞金は1試合3000万円」という話を偶然耳にする。金銭トラブルが原因で、母親と別れて暮らしている弾道は、「プロゴルファーになれば母親を連れ戻せる」と考えて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 2巻

2週間後の熊本ジュニア選手権に向けて臨んだ、初めてのコースラウンド。弾道、優香、弘平の3人は、たまたま一人で来ていた意地の悪そうな中年男性とラウンドすることになった。新庄プロに頭を下げられて了承したものの、子供と一緒に回ることが気に入らないその男は、打順の決め方すら知らない弾道に目をつけ、次々と言いがかりをつけてきて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 3巻

熊本ジュニア選手権・2番ホール。正面の木を避けるため、スライスをかけて放たれた弾道の第2打。あまりにも無謀なそのショットは、誰がどう見ても右手の林に向け一直線に飛んでいくかに思われた。しかし次の瞬間、強い向かい風を受けたボールが急激にスライスしはじめ、グリーン方向へ軌道を変えていく。さらにグリーンオンしたボールは、ゆっくりと芝の上を転がり…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 4巻

熊本ジュニア選手権・14番ホール。前の組の進行を待つため、ティーグラウンド脇の茶店で休憩する弾道と石上兄弟。すると、そこに現れた横田が、競技委員に向かって突然ルールの確認をし始めた。そのルールとは「ゴルフバッグに入れていいクラブは14本まで」というもの。子分を使って弾道のバッグに細工していた横田は、したり顔で「15本入っているバッグを見た」と言い出して…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 5巻

熊本ジュニア選手権最終日・1番ホール。優勝を争う最終組には、1日目を1オーバーの単独首位で終えた風間、そして2オーバーで2位タイの弾道、同じく2位タイの笠という3人が顔を揃えていた。そして迎えた笠のティーショット。その素振りに「本当に小学生か?」との声も漏れる中、なんと笠はティーアップなしでアドレスに臨む。凄まじいインパクト音とともに放たれたボールは、風間のみならず弾道のボールをも越えていき…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(6)

熊本ジュニア選手権・最終日、4番ホール。ドライバーか、スプーンか、3番アイアンか…。ティーショットで使用するクラブに選手の個性があらわれるこのホール。弾道が手にしたクラブは、誰も予想だにしていなかった6番アイアンであった。「フルスウィング2回でちょうどグリーンオン」と、信頼する6番アイアンを握り集中力を高める弾道。一方その頃、弾道の父・茂道のもとには「青葉先生」と言葉をかける新庄の姿が…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(7)

九州JG(ジュニアゴルフ)選手権・第1日目。会場に到着した弾道たちは練習場へと足を運ぶが、そこは九州各地を勝ち抜いた参加者でいっぱい…。なんとか一人分のスペースを見つけた弾道だが、後から来た無口な少年に横取りされてしまう。やむなく弾道が他の場所を探していると「幸運のグローブがなくなった」と慌てふためく女の子が現れて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(8)

九州JG(ジュニアゴルフ)選手権・第1日目、14番ホール。大隈のクラブバッグが崖下へ落ちそうになり、弾道はとっさに自らのパターに引っかけてこれを守ろうとする。その結果、バッグは無事だったものの、弾道のパターのシャフトは使い物にならないほど折れ曲がってしまった。その場で直そうにも不正行為で認められず、このまま弾道はパターなしで試合をするはめに…!!

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(9)

九州JG(ジュニアゴルフ)選手権・第1日目、9番ホールで見事イーグルを決めた弾道。しかしその瞬間、競技委員長の田崎から発せられたのは、「今のは無効だ」という予想だにしない言葉だった。同組のターチが不正行為をしていたという目撃証言から、弾道のプレーにも疑念がかけられて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(10)

全日空オープン・予選2日目。ラウンド開始直前、顔も服もボロボロな状態で赤野の前に戻ってきた弾道。昨夜から今朝まで、ずっとコースを調べ歩いていたのだ。そして迎えた最初のホール。ドライバーで叩くと、2打目が上り斜面のショットになることを嫌った他の選手は、アイアンやウッドで刻んでいくが、弾道はあえてドライバー勝負を赤野に勧めて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(11)

全日空オープン・決勝ラウンド1日目を終え、最下位から単独3位にまでスコアを伸ばした赤野。その結果、明日の最終日は、帝王ジャック・ニクラウスと同じ組でラウンドできることとなった。そのことを知ったキャディの弾道は「もっとコースを調べなきゃ」と、ボロボロの身体を引きずってコースへ出かけて行く。するとそこには、スウィング・リズムの調整をするニクラウスの姿があり…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(12)

全日空オープン最終日・11番ホール。ウォーターハザードからの第2打を、見事にグリーンオンさせた赤野。だが、このショットのテークバックの時、ソールが水面に触れる二打罰の違反を赤野が犯していたことを弾道は見逃さなかった。とはいえ、このことはギャラリーも赤野自身も誰ひとり気付いていない。ニクラウスへの追い上げムードに水を差してはいけないと、一度は胸にしまうことを考えた弾道だが…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(13)

全日空オープン最終日・最終ホール。グリーン上の風に苦しむニクラウスを尻目に、赤野はバンカーからの第2打を見事カップインさせた。これでニクラウスが次のパットを外せば、その瞬間赤野の優勝が決まる。だが、ニクラウスは“帝王”の名に恥じぬ集中力をここにきて発揮。“風の音”を“形”としてとらえ、渾身のパットを放つ!!

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(14)

全6ホールを3周する「モーガンゴルフ大会」に参戦した弾道は、プロゴルファーのジョン・カッターと同組で回ることに。そして1周目・5番ホール。すでにカッターに6打差を付けられている弾道だが、観客の心ないヤジをきっかけに、キャディのアメリアが6本のクラブのみを手に抱えて運んでいることに気付き…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(15)

「KBCオーガスタ」予選1日目・6番ホール。弾道の第1打は惜しくもバンカーに落ちたものの、戸高に「バンカーに入っても奥の手がある」と言われていた弾道は、希望を捨てずに次の指示を仰ぐ。しかし、それは弾道をリラックスさせるための冗談に過ぎず、戸高はサンドウェッジで普通に球を出すよう告げるのだが…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(16)

「KBCオーガスタ」4日目の朝。前夜、借金取りに襲われ大ケガを負った戸高は、こっそり病院を抜け出して弾道のもとへと急ぐ。一方、戸高が大ケガを負ったことを知らない弾道は、彼がすぐに戻ってくることを信じて、代わりのキャディを付けず、たった一人でホールをまわっていた。戸高が残してくれた、ホールに関して事細かく記されたメモだけを頼りに…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(17)

「KBCオーガスタ」最終日。驚異の追い上げで3位(+3)に躍進した弾道は、首位の寺尾(±0)、2位のベン・ムーア(+1)と同組でスタートを迎える。すでに前日までの闘いでボロボロの弾道は、「クラブを落としたら棄権させる」という赤野の言葉を胸に、渾身の第1打を放つが…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(18)

KBCオーガスタ最終日。キャディーの戸高が戻ってきたが、スコアが伸びず、ダンドーは苦戦を強いられていた。11番ホールの2打目。目の前にある木に阻まれて、ダンドーはピンチをむかえてしまった。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(19)

KBCオーガスタの最終ホールで、ダンドー、ベン・ムーア、寺尾の三人は、3打目でグリーン右端に乗せた。同じラインに並んでいるように見えた三人のボールは、わずかにずれていた。ベン・ムーアはパットを真っすぐに打ち、寺尾は右へ打った。キャディーの戸高は、ダンドーに左狙いと指示するが、ダンドーの体は限界を越えており、戸高の声さえも聞こえなくなっていた!!

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(20)

ダンドーの親友・弘平が、アメリカに転校することになった。今までダンドーや優香と一緒にゴルフをやってきた弘平は、これから一人でゴルフを続けていけるか不安になっていた。自分の力を証明したいと考えた弘平は、ダンドーにゴルフの勝負を申し込む。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(21)

新聞記者の吉田が見つけてきたキャディ・ブルンをパートナーに、アジアンマッチプレー選手権に出場中のダンドー。しかし、ブルンが全くゴルフを知らない素人と分かり、ダンドーは韓国のトッププレイヤー・朴銅烈(パクドンヨル)に序盤から3ホールを連取されてしまう。だが4番ホールで、先に打ったパクのボールが微妙に揺れたのを見て、ダンドーは上空にワナが隠されていると気付き…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(22)

2ダウンを挽回したダンドーが、ついに最終18番ホールを迎えた。この土壇場で、ダンドーは子供ばなれした精神力で2オンに成功するが、なんと朴のボールも全く同じ地点に2オンしてしまう!同じ位置からのパットは、後に打つ方が圧倒的に有利なのだが…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(23)

目の前を木に塞がれた状況から、ダンドーが放ったボールは見事にチップインバーディー!ニコルズのパットはわずか30cmのため、勝敗はプレーオフに持ち越されるかと誰もが思った。しかし、どこからともなく過去の思い出がよぎってきたニコルズは全く動こうとせず、涙まで流している。ニコルズに突然起こった異変、ダンドーにその光景はどう映っているのか…!?

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(24)

弾道と赤野のマッチプレーは、弾道の2アップリードで5番ホールへ突入した。533ヤードという長距離に加え、下手をすれば一気にOBゾーンにボールを運んでしまう強風が吹く難コースに、弾道は小細工なしで真っ向勝負!しかし、その第1打はまともに風の影響を受けてしまい…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(25)

赤野との戦いになった、アジアンマッチプレー準決勝。ダンドーは11番ホールで見事イーグルを決め、赤野との差を2ダウンにまで縮める。しかしここにきて、ダンドーの体に変調が起こる。体力の限界というほど疲れてもいないのに、鉛のように体が重く思うように動かないのだ。キャディーのルカも原因の分からない異変だが、赤野がこれに気付いて…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(26)

病気のため、自分に残された時間が少ないことを知った新庄は、阿蘇グループ社長である父に「残りの時間はゴルフに使いたい」と告げる。本当はグループを継がせたがった父だが、これが最後になるであろう息子の願いを承諾した。新庄は「会社で大きなプロジェクトを任されて、世界中をまわることになった」と、ダンドーと優香に別れを告げる。そして号泣する二人を激励すると、ゴルフバッグ一つを持って海外へと旅立つ…。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(27)

クラブセットを持っていない熊谷のため、手のケガをおし、賞品目当てで草大会に出場したダンドー。この大会の2位の賞品は、まだ発売されていない新品のゴルフクラブのセットなのだ。優勝してはいけない。目的はあくまで2位になることだ。しかし全力でぶつかってくる相手・鳥光を前に、ダンドーは複雑な心境になる。

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(28)

大学生ゴルファー・風間を売り出すために、広告代理店・電報堂が企画したテレビ番組で、初試合をすることになった弾道たちゴルフ同好会。試合形式は弾道・熊谷ペアと、風間1人という変則的な形だが、周囲の予想とは裏腹に、4番ホールまで風間のリードはわずか1アップ。その時、風間は7番アイアンでも充分な160ヤードのティーショットを、4番でフルスイング!!その飛球はグリーン大オーバー確実と思われたが…!?

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕(29)

テレビの企画として始まった試合は、もはやカメラを度外視した真剣勝負に!ダンドーのプレーに触発された風間は、アルバトロスを出すなど未知の力を発揮する。ダンドーも1ダウンでくらいつくが、日は沈み、暗闇の中で最終ホールへ…!?

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕

心にいつもニコボール

DAN DOH(ダンドー)!! 〔新装版〕 坂田信弘 万乗大智
ひさぴよ
ひさぴよ

90年代の少年サンデーで連載していたゴルフ漫画。小さな少年・青葉弾道(通称ダンドー)がド素人の状態からゴルフを始めて成長していく物語です。ゴルフにそれほど詳しくなくても楽しめる作品です。 子供の頃に読んだ時は気付きませんでしたが、原作は風の大地の坂田信弘先生だったんですよね。今にして読むと坂田ゴルフ塾の教えが随所に散りばめられているのが分かります。 ダンドーという主人公は、ある意味、坂田先生の理想の少年像ともいうべき存在かもしれません。 誰よりも他人への思いやりがあり、健気なまでに努力家で、窮地に陥っても絶対に諦めず笑顔を絶やさない。その象徴として、ボールに笑顔を書いた「ニコボール」という存在があります。 試合では対戦相手の嫌がらせを受けたりして、毎度ピンチに陥るんですけど笑、このニコボールに思いを乗せたスマイルショット(ウルトラスーパーショット)を繰り出すのです。 たとえ非現実的なショットであっても、ニコボールという特別な想いの力で納得させてくれるのが最高ですね。こういう所が漫画の素晴らしいところだなあと思うのです。 また、ダンドーと同じくらい魅力的なプレイヤーとの出会いもあります。ダンドーの最初の師匠、新庄さんをはじめ、兄貴的存在の拓さんも忘れられません。拓さんのキャディーをダンドーが務めた全日空オープン編は、何度読んでも感動してしまいます。それと実在のゴルフ界のレジェンド、帝王ジャックニクラウスも登場し、ゴルフの奥深さを見事に示してくれます。 ご都合主義的なところもある漫画でしたけど、最後はダンドーの純粋さが全てをひっくり返してしまうパワーがあって何だかんだ好きな漫画でした。