神様たちの暮らしと記憶…不思議日常譚 これは昔々―― ではなく最近のお話。以前は仲のよかったミツカド山とフタツカド山の神様たち。あることがきっかけで、ふたつの山の神様たちの交流は途絶えてしまったが、再び関係を築こうとするフタツカドの山の神は、使いを出してミツカド山の様子を窺う。だが、フタツカドの神の中には「菊の神」の存在をいぶかしむ者もいて…? 石の神・イシの記憶の空白の部分に、菊の秘密が隠されているのか…… 「忘れられたことは、なかったことになってしまうのか」をテーマに綴る、優しくて、少し可笑しい神々の暮らし。