「世界終了まで一週間、やり残しがないようにねっ」 テレビから聞こえてくるバラエティ番組の司会者の声。 小惑星の衝突で、一週間後に人類は滅亡するらしい。 やり残したことってなんだろう。 思い出したのは、中学時代の憧れの先生との「果たせなかった約束」。 ──卒業式に“ハグ”をしてもらうこと。 世界と夏と思春期の終わり、特別読み切り46ページ
自分なりに踏ん切りをつけて陸上競技を引退した嵐山颯太郎。 美術の授業で、絵を描くことに常に全力で向かう森崎めぐこ と出会い──。 好きなら好きだと叫べばよい!あなたの"好き"を肯定する全力美術活劇開幕!!
クセのないアッサリした画風。全国民に理解できるであろうバックグラウンド。近所で見たような風景。起承転結が大事にされたシナリオであるが、それだけにどんでん返しはなく、予想のつく展開であった。しかしながら、読み切りという短期決戦の中では十分読み応えのあるデビュー作であったと感じる。まだ若い世代であろう作者が、人生の経験を重ねて生み出す次回作に是非期待したい。失礼ながら、まずまずの一塁打であったと感じさせる作品でした。