あらすじ『鎌倉ものがたり』連載30周年記念企画の一環として、1980年代に刊行された、西岸良平の真骨頂であるノスタルジックな短編作品をリニューアル発売! ひとつ屋根の下に暮らす、義兄妹の耕介と久美子。そして、不思議な能力を持つ、猫のワニ丸。二人と一匹の周りには、何故かおかしな出来事ばかりが起こりますが、貧しくとも明るく温かい彼らの暮らしが、ほんのりと心を穏やかにほぐしてくれます。
ワニみたいなとんがった顎をした猫のワニ丸が可愛いです。もしもこれからの人生で猫を飼うことになったら「グーグー」か「あんずちゃん」にしようと考えてたけど「ワニ丸」も候補に入れようと思いました。 しかし物語的には化け猫のワニ丸がいることによって不思議な現象に巻き込まれてしまいます。宇宙船を大彗星に擬態させた宇宙人の襲来をワニ丸が撃退して地球を救うというあまりのスケールのデカさに驚くこともありましたが、ほのぼのした日常描写からSFやホラーに急展開していく振り幅がクセになる面白さでした。 強いて言えばワニ丸の飼い主である血の繋がらない兄妹が恋愛関係になってめでたしめでたしで終わって欲しかったな〜。