あらすじ

「ありがとう もう1回出逢ってくれて」 エマのことが可愛くて、触れたくて、どうしようもないくらい惹かれていく宝。たとえどんなに自分が辛くて苦しくても、いつか終わらなくてはならない日が来るまでは、エマをずっと好きでいよう。宝は、そう覚悟を決めたけれど――。
冷たくて 柔らか 1巻

「私のたったひとり大切で大好きな親友だもん」 同棲して2年の彼氏に突然フラれた宝は、勤務先の不動産会社で中2の頃の同級生・エマと偶然出会う。昔とは雰囲気が変わったエマの変化に戸惑いつつも、旧友との再会を喜ぶ宝。でもふとした瞬間、あることを思い出し…!? 33歳の今日、何かが動き出す――。

冷たくて 柔らか 2巻

「まさか自分がこんな恋をするなんて」 エマにキスしたくなったり、嫉妬したり…。他の誰にも抱いたことのない衝動的な感情に向き合った宝は、33歳の今の自分もエマのことが好きだと確信。エマが女性で既婚者で、どんなに夫を愛していたとしても、宝の想いは募っていき――。

冷たくて 柔らか 3巻

「ありがとう もう1回出逢ってくれて」 エマのことが可愛くて、触れたくて、どうしようもないくらい惹かれていく宝。たとえどんなに自分が辛くて苦しくても、いつか終わらなくてはならない日が来るまでは、エマをずっと好きでいよう。宝は、そう覚悟を決めたけれど――。

冷たくて 柔らか

20年ぶりに再会した女性同士の関係性 #1巻応援

冷たくて 柔らか ウオズミアミ
兎来栄寿
兎来栄寿

『三日月とネコ』のウオズミアミさん最新作。本作もまた大人の女性の上質な関係性が描かれています。 「ヤキモチを焼かれないので、本当に愛されてるか自信を失った」 という同棲して2年の彼氏と別れた主人公・宝(たから)。 33歳にして結婚を考えていた相手と別れてどうしようかというところで偶然にも中学生の頃の同級生・エマと20年ぶりの再会を果たしたことで、ふたりの物語が再開します。 当時のエマにとって、宝は単なる同級生に留まらず自分の存在を救ってくれていた掛け替えのない存在で、宝さえいてくれれば他に誰もいらないと思っていたほどでした。 宝は、そんな強い想いを昔から変わらずぶつけてくる美しくてかわいいエマに対して少しずつ自身も絆され、感情が徐々に溢れ零れていきます。何も障害がなければひとつの美しい祝福されるべきふたりの物語で終わるのですが、いかんせん既にエマは人妻。相手の男性は経営者で、性格もとても優しくエマのことを大事にしている人であるというのもまた複雑です。 ただ、当のエマ自身は現状に満たされない想いがあるようで、宝との再会によってよりその想いも強くなっており……。 いちごミルクキャンディの香りによって呼び覚まされる甘酸っぱく切ない記憶が、郷愁と共に胸の奥へと焦がすような熱を灯します。丁寧に紡がれていく彼女たちの関係性に目が離せません。中学時代のふたりの姿は、血流を良くしてくれます。 全体的に上品なんですが、友達のお母さんが作ってくれたおでんの味が忘れられずにずっと探求していてその正体はおでんの素だったという庶民的なエピソードも好きです。