たよりたよりて

たよりたよりて

出会った瞬間、彼の灰色の瞳に惹きつけられるように奪われたキスはまるでこれから世界が変わる合図のようだった。ある手紙を頼りに理央のもとを訪れてきたという青年・ルイは「一人で泣いてる気がして」と、涙をすくうように理央の頬に触れ、愛しそうに何度も何度もキスをする。はじめのうちはその行為に戸惑いぎこちない反応を見せる理央だったけれど、いつしかその振る舞いに救われていることや求められることに期待している自分に気付き――…。
たよりたよりて【単話売】

たよりたよりて【単話売】

“世界はいつだって唐突に変わる”ながらく家を空けている父の言葉を胸に、ひとり変わらぬ日常を送る理央。そんな彼のもとに現れたのは、一通の手紙を大事そうに胸ポケットにしまっている青年・北條ルイだった。父の知り合いだというルイは、まるで理央のすべてを知っているかのようにほのめかす言葉を並べ、妙にスキンシップが激しく距離が近い…。そして、少しずつ歯車が動き出すように理央の日常にルイの存在は溶け込んでいく―。
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