『このライトノベルがすごい!2024』の新作部門1位を獲得した鵜飼有志さんの小説のコミカライズです。 女の子だけで行われるデスゲームですが、通常のデスゲームものと大きく異なる点があります。 多くのデスゲーム系作品では、主人公は自ら望んだものではないゲームに巻き込まれるパターンが非常に多いです(『バトル・ロワイアル』、『BTOOOM!』など)。 望んで参加する場合には、借金返済のためといった理由が多いです(『カイジ』シリーズや『トモダチゲーム』など)。 しかし、本作の主人公・幽鬼は自ら望んで、金銭などのためではなくゲームに参加し続けます。その動機は「99回のクリアを目指す」ということ。デスゲーム自体が生きる目的になってしまったという、バーサーカー的な存在です。 物語の最初に描かれるゲームは幸いにして協力型なので、既に27回クリアしているヘビーリピーターの幽鬼は、いわば仲間として頼りになるスーパー船井。知識もノウハウもある彼女がいればクリアは難しくない……とはいえ、そこは極限状況。次に何が起きるか、誰が裏切るかもわからない疑心暗鬼のデスゲームの醍醐味が描かれていきます。 そこそこハードな描写も出てくるので、苦手な方はご注意ください。 しかし、とにもかくにも作画の万歳寿大宴会さんの絵が大変にお強い! 女の子が全員とてもかわいいです。そんなかわいい女の子たちが、生と死のあわいで表情を歪めていく姿。福本マンガの金持ちの気分を疑似体験できるようです。 既存のデスゲーム作品へのメタ的な部分も含まれており、デスゲーム好きの方、サスペンス好きの方にお勧めです。
兎来栄寿
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