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わたなべまさこ名作集ホラー・サスペンス編
わたなべまさこ
わたなべまさこ
あらすじ
天使のような愛らしい笑顔の美少女・ロザリンドの周辺で続発する惨殺事件。その犯人とは、わずか8歳のロザリンド自身だった! 無邪気さと残酷さを併せ持つ彼女は心の赴くままに罪を重ねていく。真実を知ってしまった父親は神に救いを求めようとするが――。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、衝撃の昭和ホラーの傑作が前後編にて登場!
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 1 聖ロザリンド 前編
天使のような愛らしい笑顔の美少女・ロザリンドの周辺で続発する惨殺事件。その犯人とは、わずか8歳のロザリンド自身だった! 無邪気さと残酷さを併せ持つ彼女は心の赴くままに罪を重ねていく。真実を知ってしまった父親は神に救いを求めようとするが――。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、衝撃の昭和ホラーの傑作が前後編にて登場!
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 2 聖ロザリンド 後編
純粋さゆえに人を殺めてきた美しくも恐ろしい少女・ロザリンド。母恋しさに修道院を抜け出し、罪の意識のないままに更なる殺戮を繰り返していく。殺人鬼と化した最愛の娘の宿命を絶つため、苦悩の末に父・バーナードが下した悲しき決断は…!? 少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、作品発表当時に大反響を呼んだ昭和ホラーの衝撃作、ここに完結!
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 3 新釈 真景累ヶ淵
安永2年、年の暮れも迫った頃。皆川宗悦の妻・お兼は、可愛いふたりの娘と目の見えぬ夫を残し、後ろ髪を引かれる思いで奉公先の深見家を訪れる。不穏な気配を感じながらも勤めに励むお兼だったが、やがて不安は現実へと変貌し二度とわが家に戻ることのない過酷な運命が待ち受けていた! その後、非業の死を遂げた夫婦・宗悦とお兼の深い恨みは子々孫々まで続いていき…。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く因果応報の物語。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 4 死の棲む家
同じ学部で4年越しの恋人同士だった里也子と正樹。しかし正樹の心変わりから別れを決意した里也子は最後の旅行へと誘うが、道中で見た影の薄い女性の自殺現場に居合わせてしまう。アクシデントに見舞われる中、亡くなった女性の気配を感じ訴える里也子を正樹は冷たく突き放すが!? 旅の末に辿り着いたのは不穏な一軒宿…それは死の世界へ誘う恐怖の館だった! 少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く傑作ホラー。表題作ほか「怪談妖鬼」「女の首」の全3話を収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 5 穴の底
ある夜、居酒屋でくだを巻く会社員の中岡勝也は、勤め帰りの行方不明者が続発する新聞記事を目にする。その帰り道、フラフラと歩く勝也は暗い裏路で突然、穴の中に落ちてしまった! 穴はどこまでも深くやがて強い衝撃で意識が遠のくも、目覚めると気味の悪い芒の原の中にいた。助けを求め一軒の明かりを見つけ頼るも、そこには約束事があり…。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、平凡な男の身に降りかかる死の恐怖体験! 表題作ほか「怪談 紅いグラス」「悪霊」の全3話を収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 6 ねんね…しな
両親がおらず祖父母の元で育ったさやか。同じクラスの少女3人にいじめられるが、気弱さを嫌う厳しい祖父には話せず見つかると激しい怒りを買ってしまう。行き場のないさやかは、亡くなった優しい祖母のところへ行きたいと形見の日本人形を抱くと、子守歌に導かれるようにベランダから身を投げ出してしまった。その後、さやかの棺から人形が姿を消したと噂されるが――。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く怨念を宿した人形が迫り来る戦慄ホラー! 表題作ほか「死女の恋」「魔女復活」「鬼あざみ」の全4話を収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 7 魚のくさる家
上司の直人と不倫の恋に落ちた若子。直人の妻は精神的に追い詰められ小さな娘を置いて自殺してしまう。妻の座に納まった若子だが、先妻の子・のぞみとは上手くいかず憎しみさえ覚え始めていた。そんな折、念願のマイホームを購入し新居に移ると、ママがいると話し出すのぞみ。異変を感じる若子は震え上がるが…。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、愛娘を残し亡くなった母の悔いがもたらす哀しくも恐ろしい復讐劇! 表題作ほか「紐―ひも―」「秋の夜の夢―ガラスのような亜々美―」の全3話を収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 8 恐怖街
ひと気のないボストンの夜道で事故に遭ったマージョリーは、目覚めると記憶を失い殺人の容疑がかけられていた。バッグからは現場の遺体に塗られた真っ赤な口紅と身分証が見つかり、大富豪の令嬢と判明する。屋敷へ戻っても何も思い出せず怯える彼女と、家の様子に違和感を覚えた警部のサイモンだが、後見人のシエルに監視を制止されてしまい…。果たしてマージョリーは殺人犯なのか!? 少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描くサスペンス・スリラー! 表題作ほか「紅しぼり…いのちの糸」「怪談 片目猫」の全3話を収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 9 従妹イゼベル 前編
1800年代末のロンドン。心優しく聡明なリースは、尊敬する医師である父の傍らで働くため看護師となり3年ぶりに帰って来た。ところがその当日に父が急死、母は倒れ夢も財産も失ったことを知ったリースは悲観し命を絶とうとする。恋人のワンダに救われるも暗い日々を過ごしていたある日、警官に連れられ一人のみすぼらしい少女が…。従妹であり妹でもあるというイゼベルが現れたことから、リースの人生の歯車が狂い始める――!! 少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描き出す異母姉妹の愛憎サスペンス!
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 10 従妹イゼベル 後編
信じていた異母妹イゼベルの策略から、恋人も家も全て奪われてしまったリース。残された家族を養うため遠い地で看護師として働き数奇な運命を経て故郷へと戻る。しかしそれを知ったイゼベルに執拗に追いつめられ、ついには殺人の罪で逮捕されてしまう! 無実が明らかになるも母も亡くした孤独なリースは、看護師としての生を全うする決意を固め故郷を離れるが…!? 衝撃のラストが涙を誘う、少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く異母姉妹の愛憎サスペンス完結巻。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 11 あやかしの伝説
天竺(かつてのインド)で、聡明な王と王子を次々と誘惑する残酷な美少女・カヨウ。古代中国の紂王を優雅な姿で惹きつけ思い通りに操ろうとする、笑わない女・姐妃(だっき)。平安時代の日本で、歌の才能と美貌に目を付けた崇徳天皇から強引に呼び寄せられ、恨みから彼を呪う藻(みずも)。時を越え、海を越え、運命を大きく操りし者の正体とは!? 国を乱すほどに美しく謎めいた女性たちの運命を、少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く歴史ホラーロマン三部作。表題作ほか「雪おんな」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 12 逢魔が刻
予備校生の江藤宏は、浪人仲間の坂山から旅行に誘われいったん断ったが、帰ってこないことから心配して様子を見に、青森県の黒森に旅立つ。鬼婆伝説があるというその地で、山奥まで歩き坂山が泊まった宿を見つけた江藤。色っぽい女将は「坂山さんは5日泊まってここを出た」と言う。それを聞き安心して宿を満喫し、眠りについた江藤だが、真夜中に目覚めると、信じられないような不思議なものを見ることに…。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く一夜の旅情ホラーミステリー。表題作ほか「マリエの窓」「闇からの客」「蔦のからまる家」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 13 闇の底
ある雨の夜。ミステリー作家の小幡鉄平のところに兄・良平がふいに訪ねてきた。ネタ切れに悩み、何か使えそうな話はないかとせがむ鉄平に、25年前のある出来事を良平は静かに語り始めた…。学生時代最後の思い出作りに山の旅に出かけた良平と仲間たちが道に迷い、ようやくたどり着いたのは、震えるほど寒く、線香の香りが漂う気味の悪い旅館だった。その旅館の若い嫁が突然亡くなり、今夜が通夜だという。しかもその死に様は聞くも恐ろしいもので―――。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこが描く、身の毛もよだつジャパニーズホラーの名作。表題作ほか「夜叉ヶ池」「哄った女」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 14 緋の宴 前編
24歳の夕海子は仙台で食品会社に勤める平凡な女性。母と二人暮らしをしながら、家庭のある主任と大人の付き合いを半年ほど続けている。ある日、東京に出て働いている華やかな姉・南海子が帰ってきて「秋には結婚する」と嬉し気に告げた。しかしその後不幸が次々と夕海子に襲いかかる。不倫相手の主任が新しい女を作り、家では母が倒れ、姉は行方不明…そこに、警察から、姉・南海子が箱根山中で男と心中したと連絡が届く。あんなに美しかったお姉さんがなぜ? 夕海子は上京し、事件の担当検察官・奈良本を頼りに真相を探ることに! わたなべまさこが描く、ドラマティックサスペンス。表題作ほか「けものみち」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 15 緋の宴 後編
幸せそうに「結婚する」と言っていたのに、箱根で心中したという姉・南海子。その死を不審に思った夕海子は、姉の勤務先だった病院の院長・加山と急接近、彼がくゆらせる葉巻が、亡き姉の部屋にあった吸い殻と同じだと気付く。心中事件を担当する検察官・奈良本は、夕海子に心惹かれ、捜査にも彼女にものめりこんでいく。そして夕海子もまた、爽やかで若々しい奈良本を愛し始める。しかし彼には、美しい婚約者・瑤子という存在があった。果たして姉の死は本当に心中だったのか、奈良本をめぐる夕海子と瑤子の愛のゆくえは、北の果てでクライマックスを迎える! わたなべまさこが描く、ドラマティックサスペンス、完結。表題作ほか「夢たがえ」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編 16 令嬢ポポラックの哀しみ
ロサンゼルスで暮らす7歳の少女・ポポラックの父が1年前に再婚。美しく優しい継母ローレルを、同居する祖母はすぐに気に入ったが、ポポラックはどうしてもなじめない。そしてポポラックにはもうひとつ悩みがあった。毎晩のように、2匹の蛇がからみあう悪夢にうなされ、恐怖で飛び起きてしまうのだ。そんな娘を心配した父親は、ポポラックを半ば強引にカナダの病院に送り出す。生きがいだった孫娘がいなくなり心細くなったシャロットは、過去にかかっていた夢遊病が再発したかのように行動があやふやになり、ついにはある事件を引き起こしてしまい…ポポラックが恐れた2匹の蛇とは? わたなべまさこが描く、戦慄のサスペンス・ロマン。表題作ほか「女の傷」「空の巣」を同時収録。
わたなべまさこ名作集 ホラー・サスペンス編の情報の提供お待ちしてます!
掲載している内容の誤りや、この作品に関するおすすめの記事、公式情報のリンクなどはこちらからお送りください。みなさまのご協力をお願い申し上げます。
少女マンガはどこからきたの? -「少女マンガを語る会」全記録-

少女マンガはどこからきたの? -「少女マンガを語る会」全記録-

ジャンルを育てたレジェンドたちの証言 少女マンガの「黄金期」は1970年代といわれているが、それまでの作家や作品の記録は多く残されていない。1953年に手塚治虫が描いた「リボンの騎士」から1972年に池田理代子が「ベルサイユのばら」を描くまでのあいだ、少女マンガというジャンルはいかに開拓されてきたのか。少女マンガ界の先駆者たちに、少女向け雑誌の編集者や貸本マンガの関係者も加え、50-60年代の少女マンガを語り尽くす。詳注・図版多数。
試し読み
リリアム

リリアム

リリアムの父、ブレミンガー博士は国家機密にかかわる研究に携わる科学者で、関係者たちはみな何日も研究所に詰めていた。研究者の家族たちは何も知らないまま、一般社会から隔離されて暮らしていることに、母のオリビアは夫の研究に不安を感じていたが、小さなリリアムには大人の事情はわからなかった。リリアムは硬くなったネンドを新しく買って欲しいと願っていたが、ひょんなことからピカピカに光る美しくて柔らかいネンドを手に入れたリリアムだったが、このネンドこそ国家機密にかかわる危険な兵器だった!そうとは知らずネンドに触れたリリアムは人知れず精神が壊れ悪魔の化身となってしまい……?
花のようなリリベット

花のようなリリベット

深い森の中にあるサンドル学院の寄宿舎に暮らすエンジェルは子供の頃から繰り返し悪夢にうなされていた。這い寄る恐ろしい何かに怯えつつ、目をあけるとそこには美しい少女の顔。キリのように尖った牙に胸を刺され、痛みに悲鳴をあげながら目を覚ますのが常だった。一方エンジェルのルームメイトのアガサは奔放な少女で、夜な夜な学院を抜け出していた。ボーイフレンドと会うのを楽しみに出掛けた彼女のため、エンジェルはいつも窓を開けておいてあげていた。けれど朝になってもアガサは帰ってこなかった。そんなアガサと入れかわるように現れたのは、花のように美しい少女リリベット。その美貌に惹かれるエンジェルの心を見透かすように、リリベットはエンジェルを部屋に招き入れる。「あいたかったのよ、エンジェル。あなた…もう…わたしのもの…よ」思いもよらない言葉を囁きながら、リリベットはエンジェルを抱きしめ唇を奪おうとする。驚いて部屋に逃げ帰るエンジェルだったが、そこには姿を消していたアガサが戻っていた。ただあきらかに様子がおかしい、その理由もわからないまま、信じられないできごとが次々と起こり……。その他、短編ホラー漫画『あやかしの夜』を収録。
シャネルNo.5

シャネルNo.5

すべての始まりはシャネルの香りの漂う、一通の謎の手紙だった。孤児院で暮らすイザベルとエミリーは仲の良い姉妹。ある日、孤児院にフランスの大スター、シャルロット・ジャクソンの娘ジジが慰問に訪れ、そのお礼にと花束を手渡す役目であるエミリーは、驚いたことにジジとそっくりにだった。そんなおり、イザベルのもとに「本当の母親はシャルロット・ジャクソンだ」と告げる手紙が届きー…。姉妹の本当の父と母は誰なのか? 生きているのか、もう死んでしまったのか?他、まだ科学が解明されていない時代の外科医の奮闘と悲劇を描く、短編名作社会ドラマ『死人契約』を収録。
はだしのプリンセス

はだしのプリンセス

おしゃまでキュートなマーガレットは、地球のどこかにある小さな国・ムーン・スター王国のプリンセス。生物学者でミジンコの研究に没頭するパパ・チャールストン太公とマーガレットは大の仲良しだけれど、おばあさまで皇太后のアンダンテは貧乏な国の立て直しのため、お金持ちの女性とのお見合い話を次から次へと持ち込んでいた。パパが愛しているのは亡くなったママだけ……。けれど今回のお見合い相手である公爵の娘ピンキー嬢は思った以上に積極的!マーガレットはパパから依頼されたお見合いをこわす任務を喜んで引き受け、日本行きに同行するものの、美人でお金持ちだけど子ども嫌いのピンキー嬢とはまったく気が合いそうもない。それなのに日本に着く頃には、パパとピンキー嬢の仲がドンドン近づいて…。日本に着いてからのマーガレットは、雑誌記者の椿三九郎を巻き込んで事件が巻き起こる!!
怪奇ロマン傑作選

怪奇ロマン傑作選

次々と襲いくる不幸とそのからくりに恐怖する。『水曜日の森』ハプスブルク伯爵のひとり娘ロレーヌは愛する男性ハワードとの結婚を間近に控えていた。ロレーヌは子どもの頃に母を亡くしていたが乳母のライザに見守られ、美しくやさしい少女に育っていた。毎週水曜日は父と一緒に森にある亡き母の墓参りをするのが習慣だったが、その日は何故か父の姿が見あたらず、ロレーヌはひとりで森に出掛けた。にわかに空が曇り一匹の蛇が彼女を導く。母の墓前には惨たらしく首を切り落とされた父・ハプスブルク伯爵の死体が吊り下げられていたのだった……!『白いカメレオン』『13本のカメリア』は3つの作品で構成された名作集。恐ろしくも美しいゴシックホラー漫画の決定版。女流漫画家のレジェンド・わたなべまさこの筆力が光る圧倒的な物語性は見逃せない。
ふたご座生まれ

ふたご座生まれ

美しい容姿を持ちながらも身体に大きな傷を持つマリア。つきあうボーイフレンドが次々と亡くなるという不幸に見舞われ、自分を悪魔の使いと呪い心を弱らせていた。さらにマリアには孤児でありながらも毎月多額のお金がスイス銀行から振り込まれるという謎があった。ある日、親友のアンに、コート・ダジュールにある別荘に招待されたマリアは、そこで出会ったアンの兄・チャールズと恋に落ちた。運命を感じながらも、彼を不幸にすることを怖れていたが、チャールズの強い気持ちは変わらず、ふたりは結婚。しかしハネムーンの行き先・スコットランドにつくと、ふたりの前には信じられない事実が次々と明らかになっていって……。ゴシックホラーの名手、わたなべまさこの手腕を味わえる名作。ニューヨークを舞台とする短編怪奇ロマン『這ってくる髪』も同時収録。
モナリザの部屋

モナリザの部屋

スウェーデンの雪深い森の中、医師であるビンセント・ミネリは狩猟のさなか、カモシカと間違えて人を撃ってしまった。撃たれた少女・ジョアナに命の別状はなかったが、ビンセントに衝撃的な話を告げ、翌朝には忽然と姿を消した。代わりに訪ねて来たのは、湖の畔の館・スコークロスター城の当主であるアンブローズ・デュ・クロスター将軍の使いの者であった。クロスター将軍はビンセントの著書や研究に興味を示し、館に招待したいという。請われるままに館に赴くと、ビンセントは将軍からひとり娘・モナリザを紹介される。驚くことにモナリザはジョアナと瓜ふたつだった。ビンセントはふたりを同一人物だと思うが、モナリザはビンセントと会ったことはないと告げた。周りの者たちもモナリザは昨日は館にいたと証言し、ジョアナを知る者はなかった。そのモナリザは家庭教師のコーバン女史を嫌い、病気がちの母・カミラを慕っていたが、カミラはモナリザを実の娘と認めず憎んでいた。複雑な感情が絡み合う館の住人たち。やがてモナリザは壮大で血も凍るほどの凄惨な愛憎劇に翻弄されていくのだった。わたなべまさこの真骨頂・怪奇ロマンの傑作『モナリザの部屋』果たしてモナリザの運命は?そしてジョアナの正体は?短編ミステリー『おじさまにキスを…」も同時収録。
ふたごのプリンセス

ふたごのプリンセス

オペラ界の歌姫・水藻麗(みずもれい)はイギリスの公爵(コンウォール家)・リチャードと不倫の恋をし、子供を身ごもってしまうと、子供のいない正妻のエリザベートは、二人の過ちを許す代わりに子供を公爵家の跡継ぎとして引き渡すよう告げる。ところが産まれた子供は双子の姉妹だった。双子という事実は伏せ、ミチルと名づた子は公爵家に、チルチルと名づけた子は麗が育てるとリチャードと秘密に決めた。麗が仕事のため、先に日本に向かいチルチルを乗せたジェット機がアフリカ、コンゴの上空で行方不明になってしまって……!数奇な運命に生き別れた双子の姉妹とふたりの母の愛憎渦巻く思惑の中、ミチルとチルチルが巡りあう日は来るのだろうか?
プルトンの息子たち

プルトンの息子たち

海洋開発研究者の兄・白川龍と二人暮らしの白川里枝子はロックンローラーに恋する高校3年生。ある日、理枝子は託された包みを届けるため、海洋調査艇「大和号」にこもる兄の龍を訪ねる。包みを開けるとそれは「幻の日記」と呼ばれた祖父の日記で、そこには「地底国を発見した!」と記されていた。動揺が広がるなか乗っていた大和号が暴走を始め、猛スピードで潜行し海底に激突してしまう。死を覚悟した里枝子たちだったが、意識が戻ると驚く光景が目前に広がっていた…!ロマン溢れる地球空洞説をもとに描かれた空想冒険ファンタジー。