『ブラザー・トラップ』の日向きょうさんが送る新作です。巻末には、『ブラザー・トラップ』の撮影現場へ訪れた際のレポートマンガも描かれており、非常に幸せな実写化であったことが伝わってきます。 『201号室のおとなりさん』もまた、良い感じに心を擽られる大学生×社会人のラブコメです。 ヒロインの美和、通称みーすけは ・弟妹が多く裕福ではない家庭を助けるために、大学ではしっかり勉強してちゃんと稼げる仕事に就きたい ・同世代が興味津々のお洒落や恋愛などに全然興味がない ・マイノリティな趣味のマスコットキャラクターが好きで常々珍妙な柄の服を着たりスタンプを送ったりする など、朴訥とした新大学1年生。大学時代、身近にもこういう子いたなぁと懐かしむと共に、性別が違うので事情も違うとはいえ後ろの2つは個人的にも共感を覚えるところです。 しかし、そんな彼女をかき乱す存在が幼馴染でもあり、隣人であり大家代理でもある社外人の千暁(ちあき)。生活力に乏しく、女性関係へのだらしなさを感じさせる再会時の印象が、色々なイベントを経て徐々に覆っていきます。 容姿端麗で外面も良くモテモテである千暁は逆にグイグイ来ない美和のような子の方が落ち着ける(ある意味で「おもしれー女」)というところがポイントとなっており、美和もそのことを徐々に理解しながらも自分としても初めて抱く気持ちの芽生えに翻弄されていく様子が見どころです。大学生になってからの初恋というのも乙なものですね。 美和と奇跡的に趣味が似通って友達になる同期の子や、同じアパートの住人たち、また1巻最後で登場する新キャラの子など脇を固めるサブキャラたちも魅力的で良い群像劇となっていきそうです。 ズボラな面もありつつ頼れてカッコいい男性像を見せながらも、その裏には陰をも感じさせる千暁との関係は周りを巻き込みつつどう展開していくのか。そして、気になるきぐるみあにまる同好会の活動内容とは。 本作も順調に進めばメディア化して人気を博して行きそうな盤石感を覚えます。ピュアで真面目なヒロインのラブコメを読みたい方にお薦めです。
兎来栄寿
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