あらすじ敗戦で失ったものを武力・財力で奪還せよ…!!死地で抗い窮地で猛る、戦後スペクタクルロマン!!時は昭和21(1946)年ーー大戦時に「狂犬」と呼ばれた傷痍軍人・高村伊知は、新興組織・長門商会を束ねる岡本宇ノ介に見出され、ヤミ資金を護る「番犬」として再び戦いに身を投ずることに…敗戦で失ったものを取り戻すことが組織の責務。海軍上がりの猛者どもが集う長門商会の一員として、陸軍上がりの高村は信を得て、任務を遂行することができるのか!?戦友そして亡妻への想いを胸に、孤高の軍人は奮い立つ!!
書影がかっこよすぎて久しぶりにジャケ買いしましたが、後悔していないです。 第二次大戦後の日本が舞台。 主人公は旧陸軍で「狂犬」と呼ばれた男・高村伊知。 終戦後の東京に戻ると、実家も妻もなくなった状況の中で、新興ヤクザ組織「長門商会」のボス・岡本宇ノ介と出会い、彼の用心棒として雇われるところから始まる。 岡本は元々海軍の主計長(ありていにいうと経理や兵站係)で、その流れから長門商会は旧海軍が集う場所。 海軍と「長門」商会と言う名から推測されるように、戦艦「長門」とも深い関係があって、岡本が戦時中にある目的で手にした「ヤミ資金」が物語の軸となります。 敗戦国としてGHQの支配を受けていた日本で、志をもって暗躍していく様は、読んでいて熱くなります。 そして当然、彼らを邪魔する反社的な組織、それらを裏で糸引く政治家の存在などが障壁として登場してきます。 彼らを相手に、高村や岡本はどう立ち居振る舞うのか? そして「長門商会」は本懐を遂げられるのか? 大人向けの半フィクションな物語として今後に期待したい作品です。