あらすじ

鬼城島(グイチェンとう)を離れた静(シズカ)に数年ぶりに接触をしてきた幽李(ユウリ)。「戦車椅子(タンクチェア)を復活させる―――。」 言葉少なく決意を述べた彼女と共に、静(シズカ)は再び鬼城島(グイチェンとう)に足を踏み入れ、凪(ナギ)を救うべく、動き始める―――。
戦車椅子-TANK CHAIR- 1巻

妹を銃弾から守ったことで意識戻らぬ身となってしまった最強の殺し屋・平良凪(タイラナギ)。彼は“殺意”を向けられると、わずかな時間だけ意識が戻る特殊体質の持ち主だった。完全覚醒を果たすため、今日も凪(ナギ)は改造車椅子で強敵達との“リハビリ”を始める――!

戦車椅子-TANK CHAIR- 2巻

“学園”からの刺客・黒坂(クロサカ)兄妹からの襲撃を退けた平良(タイラ)兄妹。追手から逃れるため、鬼城島(グイチェンとう)の隠れ家を転々とする凪(ナギ)たちだったが、“学園”の支配者・先生(センセイ)は、凪(ナギ)奪還のため、最凶の新人・渦(ウズ)を島へ派遣し―――!? 新たな強敵とのリハビリ開幕!? バイオレンス・アクション第2弾、始動―――ッ!

戦車椅子-TANK CHAIR- 3巻

“黒い月”の浮かぶ精神世界で、先生(センセイ)と再会を果たした凪(ナギ)。先生(センセイ)から、己と同じ“完璧”な存在になることを求められるも、彼はそれを固辞。“不完全”でも人として生きることを決め、静(シズカ)たちと共に、最終決戦に向け動き始める―――。

戦車椅子-TANK CHAIR- 4巻

鬼城島(グイチェンとう)で繰り広げられた、先生(センセイ)と凪(ナギ)たちとの死闘。物語は一旦、その戦いから遡ること3年の過去の“学園(ガクエン)”へと舞台を移す――。凪(ナギ)が首席として君臨していた其処で何が起き、彼らは現在の姿へと至ったのか。これまで語られてこなかった真相が明かされる―――!

戦車椅子-TANK CHAIR- 5巻

鬼城島(グイチェンとう)を離れた静(シズカ)に数年ぶりに接触をしてきた幽李(ユウリ)。「戦車椅子(タンクチェア)を復活させる―――。」 言葉少なく決意を述べた彼女と共に、静(シズカ)は再び鬼城島(グイチェンとう)に足を踏み入れ、凪(ナギ)を救うべく、動き始める―――。

戦車椅子-TANK CHAIR- 6巻

先生(センセイ)の魂と分離し、長い眠りから意識を取り戻した凪(ナギ)。妹の静(シズカ)は、肉体が衰弱した凪(ナギ)のために、かつてのように戦闘(リハビリ)を手配していた。そんな中、静(シズカ)は寳船(たからぶね)で幽李(ユウリ)と相対した子供―――螺(ニナ)のことが気になっていた。“凪(ナギ)と似た”螺(ニナ)の正体を見極めるべくDr.(ドクター)ラジオに探りを入れた彼女は、驚くべき事実を知らされる―――。

戦車椅子-TANK CHAIR- 7巻

螺(ニナ)の身体と頭痛蛸(ずつうだこ)を奪い、更なる変貌を遂げた渦(ウズ)。彼は、かつて先生(センセイ)から受け取った唯一の指令――「凪(ナギ)の抹殺」を果たすべく、新たに手にした圧倒的な力で、じわじわと凪(ナギ)を追い詰めていく。その指令には、もはや何の意味もないことを知りながら、誰の「とくべつ」にもなれなかった彼の悲しき戦いは、終焉に近づいていく―――。

戦車椅子-TANK CHAIR-

気持ち良すぎるアクションと、秀逸な制約と、兄妹の絆と #1巻応援

戦車椅子-TANK CHAIR- やしろ学
兎来栄寿
兎来栄寿

やしろ学さんの名前を知っている人は少なくても、「叢鋼-ムラハガネ-」や「夏と神輿と巨大怪獣」といった作品を覚えている方は結構いるかもしれません。 「叢鋼-ムラハガネ-」を読んだ時は圧倒的な画力に驚嘆し、すぐにでも連載が始まるかと思っていました。 その数年後、横田卓馬さんとの共作である「夏と神輿と巨大怪獣」が登場した時も「あのやしろ学さんが!」となりましたが、その後暫く音沙汰がなかったので何をされているんだろう、と思いながら10年近くが経ち、遂に遂に個人連載作品である『戦車椅子-TANK CHAIR-』が登場!  どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ やしろ学の登場だ――――――――ッ と叫びたくなる気分です。 最初はApple Books限定で知る人ぞ知る作品となっていましたが、マガポケでの掲載を経て、本日遂に単行本が発売となりました。 そして、肝心の内容ですがこれがまた最高なんですよ! まず問答無用で絵が良いです。画力はますます磨きが掛かっており、特にアクション描写は疾走感全開。魅せる構図も演出も豊富。ページを捲るたび脳から色々なものがドッパドパに溢れてきて気持ちいい! タイトルにある「戦闘椅子」のデザインもクールで、ロマンの塊。キャラクターについても、カッコいいキャラやかわいいキャラ、味のあるキャラが盛り沢山です。おまけページの騰子かわいい。 そしてまた、ストーリーの根幹となる設定が非常に面白いです。 「殺意を向けられている時だけ意識を取り戻す」兄のため、妹は最高の殺意を向けてくれる相手を探し求め続ける。 バトルマンガにおいて重要な主人公の弱点として斬新さもありながら、面白い駆け引きを生む制約としても秀逸です。 そしてまた敵を倒した後、束の間だけ取れる兄妹のコミュニケーションが良いんですよね。ここにも設定の妙が強く生きています。ダークさもありながら、根底にあるのが兄妹の絆であることで感情移入がしやすい作りになっているのも巧いところ。 バトルアクション好きの方も、そうでない方もまずは1話だけでも読んでみてください。言葉でなく心で「理解」ります。