あらすじ

悪魔が住む世界、根の国。その世界を統治する魔王サタニックは、異界の炎の魔王イヴリスを虐げ、毎晩のように抱いていた。過去に自らの犯した過ちゆえにサタニックと戦い、そして敗北したイヴリスは、いつしかサタニックに抗うことができなくなっていた。夜な夜な身体を重ねるうちに、イヴリスは自らの薄暗い過去を思い出すが…。
砂濱通信(1)愛に飢え、嘯く瞳

悪魔が住む世界、根の国。その世界を統治する魔王サタニックは、異界の炎の魔王イヴリスを虐げ、毎晩のように抱いていた。過去に自らの犯した過ちゆえにサタニックと戦い、そして敗北したイヴリスは、いつしかサタニックに抗うことができなくなっていた。夜な夜な身体を重ねるうちに、イヴリスは自らの薄暗い過去を思い出すが…。

砂濱通信(2)海に沈む花束

「俺は決して あの日々を忘れることはないだろう……」 悪魔の王、サタニック。その性格は自由奔放ではつらつとしているが、時に彼は――その心に暗い影を落とす。永い時が過ぎてもなお色褪せることのない過去の記憶。サタニックは、とある「昔の思い出」を胸に、荒野で花束を抱えていた。かつて彼が出会ったある一人の人間の男、名はヴィクター・フランケンシュタイン。ヴィクターは「神に背く行為」に手を伸ばそうとしていたが、そんな時彼の前に現れたのが魔王サタニックだった。サタニックはヴィクターの「発明」にとても興味津々であったが、悪魔が現れたことをきっかけに自分の行動を考え直したヴィクターは、一度故郷へ帰ることを決心した。サタニックも一度ヴィクターの元から離れ、「少し」間をおいてから彼のもとに訪れた。薄暗く灯りのない部屋にいたのは、沈んだ表情を浮かべたヴィクターだった。「なんだ、そんな顔をして……見たかったのだろう?私の“発明”が――!!」