あらすじ

両親を惨殺した男を殺害し、山に埋めた松明と空室。その罪がついに暴かれんと物語は進む。「富と名声を手に入れたい」「誰かを助けたい」「生きていてほしい」様々な想いが交錯するなか、どんな想いにも優劣はなく、ただ人間の業だけが絡みつく。その業の中心に立つ松明は、一体どんな贖罪をもって幕を引くのか。与えられた絶望に抗い続けた松明と空室の歩みが、今ここに完結する。
かみさまの贖罪 1巻

ブラック企業勤めで、生きがいもなく空虚な毎日を送る青年・空室の人生は、SNSアカウント・松明に出会い色づき始める。いつしか松明の存在が生きがいとなっていた空室のもとにある日、松明から「会いたい」というDMが届く。憧れの人物に対面できた喜びもつかの間、松明から持ち掛けられた誘いは「殺人の手伝い」だった―― この道の先にあるのは光か、闇か。寄る辺なき者達のクライム・ヒューマンドラマ、開幕の第一巻。

かみさまの贖罪 2巻

ブラック企業でパワハラにあい、心が消耗していた青年・空室は、SNS上で悩みを聞いてくれていた松明と出会い、人生を豹変させる。松明と空室の二人はSNSに寄せられたSOSに応えようと、「これで最後です」と遺書のようなDMを送ってきた少女と会うことに。親にも見放され夜の街を彷徨うしかなかった少女が“最後にやりたいこと”とは? 現実では助けてとも叫べない者達のクライム・ヒューマンドラマ、新章の第二巻。

かみさまの贖罪 3巻

ブラック企業でパワハラを受け、命を絶とうとしていた青年・空室。だが、SNSで繋がりを得た“松明”という女性と出会い、心の平穏を取り戻していく。そんな空室と松明のもとに一通の不穏なDMが届く。「殺されそうです 助けてください」。DMを送ってきた少女のもとへ駆けつける二人だが、事態は思わぬ方向へと発展していく…。誰からも必要とされない者達の叫びを描いたクライム・ヒューマンドラマ、緊迫の第三巻。

かみさまの贖罪 4巻

「最後を見届けてほしい」。そんなDMを受けた松明と空室。会いに行った先には純朴そうな男性が立っていた。人間関係をリセットする癖があるという彼は、自分の生きてきた道に何も残せていないと語った。これからの人生も虚無であることを悟り、自分自身をリセットするという選択に至ったという…。どこにでもある虚無が、どこにでもいる青年を襲う物語。誰とも繋がれない孤独が叫びをあげる、第四巻。

かみさまの贖罪 5巻

両親を惨殺した男を殺害し、山に埋めた松明と空室。その罪がついに暴かれんと物語は進む。「富と名声を手に入れたい」「誰かを助けたい」「生きていてほしい」様々な想いが交錯するなか、どんな想いにも優劣はなく、ただ人間の業だけが絡みつく。その業の中心に立つ松明は、一体どんな贖罪をもって幕を引くのか。与えられた絶望に抗い続けた松明と空室の歩みが、今ここに完結する。

かみさまの贖罪

かみさまの為なら人を殺せるのか

かみさまの贖罪 大塚素
Nano
Nano

サイコミで始まった新連載。 ブラック会社で働くも毎日怒鳴られ、苦痛な日々を送る主人公佐藤。ある日、松明という名のSNSアカウントを見つけ、彼のつぶやきに救われながらも社畜生活を続ける。しかしクビを言い渡され父にも怒られ、ついに生きる理由を失ってしまう。松明に遺書まがいのDMを送ってはオーバードーズでもしてもう死んでしまおうかと考えるが、松明からの返信は「会いたいです」という思いがけないものだった。 社畜の描写が結構キツイかもしれませんが、だからこそ胸に響きます。佐藤みたいな人、いっぱいいるよなあ。 松明から初めて返信が来た時の、雨が止んで朝日が差すシーンがたまらなく好きです。佐藤にとって松明からの返信は、まさしく光だったんだなと思いました。 松明の言葉や容姿の雰囲気、1話のあの「手伝って」のシーン。全体通して暗いのに、どこか甘美で綺麗だと思ってしまった。 2話の「神様みたいな人だ」と松明に対して思う佐藤も、すごいなあと純粋に感心した。そういう観点を持つ佐藤、真面目で本当に良い人なんだろうな。 3話のスピード感も最高です。この2人がどんな結末を迎えるのか、しっかり最後まで追いたい。