火遊びが本気になるとき、男たちの肉体が、甘く絡みあう。山を下りようとした白瀬臨は、何度も同じ場所に戻ってくることに気づいた。「臨さん、父さんたちが、必ず山を下りるようにいったのに……」振り返ると、なんとそこに愛くるしい露草がいて、頭からは犬の耳が飛び出しているのだった。「お願い、ここから離れて!」必死の形相で言われたが、既に時遅く、露草の後ろには眼光鋭い二匹のニホンオオカミが……。臨は、露草と美青年黄苑と道理こそが、探し求めていたニホンオオカミの生き残りだと知る。そして日々、黄苑と道理が激しくまぐわいながら、お互いを慰め合っていることも。